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整形外科 外科 リハビリテーション科

長母趾屈筋腱障害


長母趾屈筋腱障害(腱炎、断裂) flexor hallucis longus;FHL tendinitis,rupture

長母趾屈筋腱の障害(腱炎、断裂)は、つま先に体重をかけて踊るバレエダンサーに多く起こります。そのほか、長距離ランナー、サッカー、テニスでも起こることがあります。

これまで炎症を伴う腱炎、変性を伴う腱症と呼ばれていましたが、最近では炎症細胞の浸潤が見られないこと、また発症時期も特定できできないために、「腱障害」と呼ばれています。

障害されて肥厚した腱が腱鞘内を滑走して腱鞘を刺激し、炎症(非炎症細胞性)を引き起こす狭窄性腱鞘炎が最も多いとされています。(手指で起こるばね指と同じようなメカニズム)

腱の走行:腓骨後面の下3分の2、骨間膜・下腿後筋膜中隔起始→腓骨遠位部で腱に移行→FOT(滑液鞘)→母趾基節骨底

症状:腱炎→足関節内果後方に痛み
    :皮下完全断裂→母趾が曲げられなくなる。

治療:腱炎→局所の安静、消炎鎮痛剤、足底板など
    :皮下完全断裂→手術

エビデンス:腱の肥厚(超音波)

長母趾屈筋腱障害では、腱障害と診断されたダンサーで腱の肥厚がみられると超音波で報告されており、内果後方の疼痛とともに診断の手がかりになります。(Mikkelsen P ら. J Ultrasound. 2024)[1]

エビデンス:手術は良好・保存はエビデンス限定的

後方足関節インピンジメントや長母趾屈筋腱障害(ダンサー)に対する手術治療は合併症が少なく良好な成績が得られる一方、保存療法のエビデンスは限られていると系統的レビューで報告されています。(Rietveld ABM ら. J Dance Med Sci. 2018)[2]

エビデンス出典(全2件)を見る
  1. Mikkelsen P, Andersen A, Shih HS, Rowley KM, Kulig K. Flexor hallucis longus tendon morphology in dancers clinically diagnosed with tendinopathy. J Ultrasound. 2024;27(1):41-49. PMID: 37356071.
  2. Rietveld ABM, Hagemans FMT, Haitjema S, Vissers T, Nelissen RGHH. Results of Treatment of Posterior Ankle Impingement Syndrome and Flexor Hallucis Longus Tendinopathy in Dancers: A Systematic Review. J Dance Med Sci. 2018;22(1):19-32. PMID: 29510786.

参考:『整形外科最小侵襲手術ジャーナル』2021年9月号