原発性脊椎腫瘍、転移性脊椎腫瘍 primary spinal tumor,metastatic spinal tumor
脊椎腫瘍は脊柱の骨の部分に起こる腫瘍で原発性と転移性に分かれます。原発性はまれですが良性と悪性があります。発症率は人口10万人あたり2-3人と言われています。
転移性はほとんどが内臓などの臓器がんからの転移です。原発巣は様々ですが、 肺がん、乳がん、前立腺がんが多いです。
転移は脊椎のどの部分でも起こりえます。症状は、転移の部位によって多少異なります。頚椎だと首から肩の痛み、胸椎だと背中の痛み、腰椎ですと腰の痛みが出ます。
症状の特徴は、進行する痛み、安静でも改善しない、夜間の痛みがあります。焼け火箸を差し込まれるような痛みと表現される方もありました。
ただ逆にあまり痛みを感じられないこともあります。実際、かなり進行した方でも少し痛いだけのこともあり、もちろん、安静時痛は無く、夜間痛もほとんどないこともあります。
このように軽い症状の方はレントゲン撮影では何の所見も無いことが多いです。はっきりした誘因が不明で痛みが数週間以上続いている場合は、MRIを行うようにしています。
MRIですとかなりの確度で転移巣を見つけることが出来ます。
教科書的には「夜間痛、安静時痛、悪化する痛み」と書いてありますが、これを鵜呑みするのは良くないと考えます。
転移脊椎腫瘍が見つかった場合は、原発巣の検索を行います。その上で転移巣の治療をどのように行うかを総合的に判断します。
いずれにせよ、1週間以上続く痛みは要注意です。
参考:『整形外科最小侵襲手術ジャーナル』2017年9月号「転移性脊椎腫瘍に対する最小侵襲脊椎安定術(MITs)」 / 『関節外科』2016年4月号「転移性脊椎腫瘍の治療戦略」 / 『臨床整形外科』2021年10月号「脊椎転移の治療 最前線」 / 『整形・災害外科 2024.6 骨転移診療のすすめ』 / 『脊椎転移パーフェクト診療』