池田医院へようこそ
信頼とまごころの医療
からだにやさしい医療をめざして
整形外科 外科 リハビリテーション科

前縦靱帯骨化症

前縦靱帯骨化症 the ossification of anterior longitudinal ligament、OALL

後縦靭帯骨化症や黄色靱帯骨化症と同じように脊椎の靱帯が骨化する病気です。これらと同時に合併することもありますし単独で起こることもあります。50歳以上の中高年の男性に好発します。びまん性特発性骨増殖症の一部症状とされています。

前縦靱帯は椎体の前面を走る靱帯で頚椎ですと喉の奥にあたります。したがって前縦靱帯が骨化して肥厚すると喉のつかえ感がでることがあります。後縦靭帯骨化症のような神経障害はでません。約6%に嚥下障害を起こします。気道狭窄により呼吸困難を起こすこともときにあります。

喉のつかえがひどいようですと手術が必要なことがあります。手術は骨化を全摘出するのが良いとする意見と症状を起こしている部分だけ切除するだけで良いとする意見があります。術後、嚥下障害の残存と骨化巣の再発が起こることがあります。

エビデンス:DISHとしての診断

前縦靱帯骨化症は、びまん性特発性骨増殖症(DISH/Forestier病)の一部として、Resnickの診断基準や画像に基づいて診断されると総説でまとめられています。(Le HV ら. J Am Acad Orthop Surg. 2021)[1]

エビデンス:頚椎前方骨化と嚥下障害

頚椎の前縦靱帯骨化(DISH)は、前方の骨化塊により嚥下障害や気道閉塞を来しうるとシステマティックレビューでまとめられています。(Harlianto NI ら. Spine J. 2022)[2]

エビデンス出典(全2件)を見る
  1. Le HV, Wick JB, Van BW, Klineberg EO. Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis of the Spine: Pathophysiology, Diagnosis, and Management. J Am Acad Orthop Surg. 2021;29(24):1044-1051. PMID: 34559699.
  2. Harlianto NI, Kuperus JS, Mohamed Hoesein FAA, et al. Diffuse idiopathic skeletal hyperostosis of the cervical spine causing dysphagia and airway obstruction: an updated systematic review. Spine J. 2022;22(9):1490-1503. PMID: 35283294.

参考:『脊椎脊髄ジャーナル 2021.6 脊椎脊髄~末梢神経の局在診断 update』 / 『脊椎脊髄ジャーナル 2021.8 Failed back surgery syndrome へのアプローチー診断と対処法』 / 『脊椎脊髄ジャーナル2024.3 脊椎外科における骨粗鬆症のbest prtice』 / 『脊椎脊髄ジャーナル 2021.10 頚椎椎弓形成術の現在と今後』 / 『脊椎脊髄ジャーナル 2021.11 成人脊柱変形 up to date』