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信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして |
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整形外科 外科 リハビリテーション科 |
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オスグッド病(Osgood-Schlatter disease) 太ももの前にある大腿四頭筋は、膝蓋骨を経て膝蓋腱となり、最終的に脛骨粗面(膝の下の骨の出っ張り)に付着します。成長期の子どもではこの脛骨粗面がまだ軟骨成分を多く含み、繰り返されるジャンプやダッシュなどの運動による牽引ストレスによって、成長軟骨が剥離し炎症を起こすことがあります。これがオスグッド病です。 主な症状は、膝下前面(脛骨粗面)の圧痛、腫れ、運動時の痛みで、特にジャンプやダッシュ、階段昇降で悪化します。レントゲンや超音波検査で骨の隆起や剥離、炎症所見を確認できます。 大腿四頭筋の柔軟性低下や成長期における骨と筋の成長スピードの不均衡が主なリスク因子です。特に、スポーツ活動が活発な小中学生(9〜15歳)に多く、男子にやや多い傾向があります。 治療の基本は保存療法です。 急性期(痛みが強い時期):運動制限、アイシング、安静を優先し、大腿四頭筋やハムストリングスのストレッチを導入します。回復期:痛みが軽減すれば、オスグッド専用の膝下パッド(サポーター)を装着し、段階的に運動復帰を図ります。 再発予防:運動前後のストレッチ習慣化、体幹・股関節周囲筋の安定性向上、運動量の調整が重要です。 また、体外衝撃波療法や超音波治療などの物理療法も一部で導入されています。 多くは成長の終了(15〜16歳頃)とともに自然軽快しますが、骨片が遊離して遺残する場合は、成人後に痛みが再燃することがあります。この場合は骨片摘出術が検討されます。 「成長すれば治る」と軽視されがちですが、放置するとスポーツパフォーマンスの低下や慢性化を招くこともあります。保護者や指導者が子どもの訴えに耳を傾け、無理をさせない環境づくりが重要です。 |
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