脊髄空洞症とは、脊髄のなかに髄液がたまって空洞ができる病気です。最もよく見られる原因は、小脳の一部が後頭骨の穴から下に下がるキアリ症候群で、髄液の流れが乱れて空洞ができます。初期には、片方の腕や手にだけ温かさや痛みがわかりにくくなる「解離性感覚障害」が現れ、触れる感覚は残っているのが特徴です。進行すると手の筋肉がやせて力が入りにくくなったり、背骨が曲がる側弯症を起こすこともあります。特に子どもでは、侧弯だけが目立って発見されることも多く、自然に治る場合もあるため、無理な手術は避け、経過を見ることも大切です。診断にはMRIが不可欠で、空洞の大きさや原因を正確に見極める必要があります。
脊髄空洞症 Syringomyelia
脊髄内に液体のたまった空洞が出来る病気です。原因はキアリ症候群など先天性のもの、腫瘍性病変、外傷、出血などで起こることがあります。
整形外科疾患というより脳外科が主体として治療を行っているケースが多いです。
片側上肢を中心とした宙づり型の解離性感覚障害(温痛覚は傷害されるが触覚、振動覚・位置覚は保たれる)で発症することが多いです。診断はMRIを行います。
病因に応じてシャント手術等が行われます。
参考:『脊椎脊髄J2020.4 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法』 / 『エッセンシャル 脊椎・脊髄の画像診断』 / 『Orthopaedics』2022年7月号「頚椎疾患・症候群対応マニュアル」 / 『脊椎脊髄ジャーナル 2021.12 脊椎脊髄手術の再手術症例における手術の骨と留意点』 / 『脊椎脊髄ジャーナル 2021.6 脊椎脊髄~末梢神経の局在診断 update』