神経病性関節症(シャルコー関節)
1881年Charcotが脊髄癆に合併する関節症を報告し、それ以降、シャルコー関節と呼ばれるようになりました。
関節に分布する神経が傷害されて痛みを感じにくくなると無理をしても分からなくなります。その結果、関節が徐々に変形、破壊されます。
原因疾患として先天性疾患、脊髄癆、脊髄損傷、脊髄空洞症、糖尿病、アルコール中毒、アミロイドーシスなどがあります。特に糖尿病性ニューロパチーに伴う足部のシャルコー関節が臨床的に重要です。
Eichenholtz分類(進行段階)
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ステージ |
特徴 |
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0(前段階) |
軽度腫脹・熱感。X線正常。MRIで骨髄浮腫あり |
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1(開裂期) |
骨折・亀裂・関節破壊が進行。腫脹・発赤・熱感顕著 |
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2(融合期) |
骨吸収と修復が混在。骨片の再配置が始まる |
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3(再構築期) |
骨癒合・変形固定。炎症は沈静化するが変形残存 |
病状によりますがまったく痛みを感じない訳では無く、よく観察すると感じにくい程度のこともあります。
荷重のかかる膝関節や足関節で起こりやすいです。脊椎空洞症の場合は肩関節、肘関節が多いです。初期の段階では変形も少なく分かりにくいことがあります。
治療は、原因疾患の治療をし神経障害の進行を遅らせるとともに装具や杖などで免荷するようにします。
ほとんどのケースで傷害されるのは一関節のみです。膝や股関節では手術することもあります。人工関節は早期に緩むことがあります。
エビデンス:病態(糖尿病性神経障害と骨破壊)
特に糖尿病に伴う足部のシャルコー関節では、末梢神経障害を背景に神経ペプチドの変化・破骨細胞活性の亢進・慢性炎症が重なり、足部の骨・関節が進行性に破壊されることが病態として説明されています(Johnson-Lynn SEら. Bone Joint Res. 2018)[1]。
エビデンス:診断と保存療法(感染との鑑別・免荷)
活動期の糖尿病性シャルコー神経骨関節症を扱ったシステマティックレビュー(国際的な糖尿病足ワーキンググループに関連)では、感染(骨髄炎)との鑑別やMRIなどの画像の役割、そして全接触ギプス(total contact cast)による免荷・固定が治療の柱であることが示されています(Raspovic KMら. Diabetes Metab Res Rev. 2024)[2]。
エビデンス:手術療法
保存療法で対応できない、あるいは高度な変形を伴う症例に対する手術(関節固定術・骨性突出切除・デブリドマン・切断など)については、糖尿病性シャルコー足の外科的治療をまとめたシステマティックレビューがあります(Schneekloth BJら. J Foot Ankle Surg. 2016)[3]。
エビデンス出典(全3件)を見る
- Johnson-Lynn SE, McCaskie AW, Coll AP, Robinson AHN. Neuroarthropathy in diabetes: pathogenesis of Charcot arthropathy. Bone Joint Res. 2018;7(5):373-378. PMID: 29922458.
- Raspovic KM, Schaper NC, Gooday C, Bal A, Bem R, Chhabra A, et al. Diagnosis and treatment of active Charcot neuro-osteoarthropathy in persons with diabetes mellitus: a systematic review. Diabetes Metab Res Rev. 2024;40(3):e3653. PMID: 37179484.
- Schneekloth BJ, Lowery NJ, Wukich DK. Charcot neuroarthropathy in patients with diabetes: an updated systematic review of surgical management. J Foot Ankle Surg. 2016;55(3):586-590. PMID: 26810129.
参考:『リウマチ病学テキスト 改訂第3版』 / 『足の画像診断_小橋由紋子』 / 『関節外科』2023年1月号 / 『足の外傷・絞扼性神経障害、糖尿病足の診かた 日本足の外科学会』 / 『関節外科 20203.8 上肢の骨壊死疾患治療』