橈骨頭脱臼とは、肘の近くにある桡骨の先端が正常な位置からずれる病気です。大人ではとても稀で、大半は尺骨の骨折と同時に起こる「Monteggia骨折」の一部です。特に子どもでは、尺骨が曲がっているだけ(塑性変形)で骨折線が見えず、見逃されやすいです。このずれを放置すると、手首や指が上がらなくなる「下垂指」や、肘の変形・動きにくさが残る可能性があります。正しい診断には、X線で「橈骨頚部軸」という線が上腕骨小頭の中心を通っているかを確認することが必要です。
橈骨頭脱臼 dislocation of radial head
橈骨頭の単独脱臼はきわめて珍しく、転倒し手をついたときに起こったという報告があります。
通常は尺骨骨折にともなって橈骨頭が脱臼するMonteggia骨折として起こります。尺骨の痛みに注意がそがれ橈骨頭の脱臼を見逃してしまうことで有名な骨折です。通常尺骨の骨折をきちんと元の位置にもどすと橈骨頭の脱臼もまた元の位置に戻るとされています。
参考:『関節外科』2022年6月号「小児肘関節近傍骨折治療のコツと落とし穴」 / 『orthopaedics』2021年6月号「肘関節脱臼・骨折 私の治療法」 / 『小児骨折治療 外傷整形外科医と考える基本から難治症例まで』