池田医院へようこそ
信頼とまごころの医療
からだにやさしい医療をめざして
整形外科 外科 リハビリテーション科

尺骨神経前方脱臼

尺骨神経前方脱臼 dislocation of the ulnal nerve

尺骨神経は肘の内側後方にある尺骨神経溝を通っています。成長期に骨の伸張に神経の伸びが追いつかないときに起こるとされています。尺骨神経が前方に脱臼しても症状がないものもあり、一方、環指、小指の」しびれ感を訴えたり、運動時特にボールスロー時に痛みが走ることがあります。

症状がなければ経過観察となりますが、保存的治療でしびれや痛みが改善しない場合は手術を考慮します。

尺骨神経脱臼は、健常者でもよくみられます。タオル等による伸展位保持。ビタミンB12など。筋萎縮が著明な場合は、回復不良となるため、早期の手術が必要。重症例は、上腕三頭筋内側頭の張り出しによりtendinous archで圧迫されていることが多い。

エビデンス:動的超音波が診断に有用

肘部での尺骨神経脱臼(亜脱臼)は動的な現象で、電気生理学的検査やMRIが正常でも動的(高分解能)超音波では検出でき手術に至った症例が報告されています。(Pisapia JM ら. World Neurosurg. 2017)[1]

エビデンス:前方移行術

改善しない尺骨神経脱臼に対しては尺骨神経の前方(皮下)移行術で症状が消失したと報告されています(症例報告)。(Nguyen Huu M ら. Ann Med Surg (Lond). 2024)[2]

エビデンス出典(全2件)を見る
  1. Pisapia JM, Ali ZS, Hudgins ED, Khoury V, Heuer GG, Zager EL. Ultrasonography Detects Ulnar Nerve Dislocation Despite Normal Electrophysiology and Magnetic Resonance Imaging. World Neurosurg. 2017;99:809.e1-809.e5. PMID: 28089807.
  2. Nguyen Huu M, Tran Q, Vu Duc V, Tran Trung D. Post-traumatic recurrent ulnar nerve dislocation at the elbow: a rare case report. Ann Med Surg (Lond). 2024;86(2):1147-1151. PMID: 38333238.