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整形外科 外科 リハビリテーション科

尺骨インピンジメント

尺骨インピンジメントとは、尺骨が短く、橈骨の内側と衝突して痛みを起こす病気です。手関節の小指側に痛みが出やすく、前腕を回すときに不快感が増します。X線では橈骨の内側がえぐれたように変形(scalloping)し、MRIでは骨や軟骨の早期の損傷が見えます。これは「尺骨が長い」ことで月状骨に突き上げる「尺骨突き上げ症候群」とは、根本の原因が違います。短縮した尺骨は先天的だったり、過去の骨折や手術が原因で起こることもあります。


尺骨インピンジメント

短縮した尺骨が橈骨と衝突することによって痛みが生じます。橈骨の衝突部位に、骨硬化、陥凹変形、骨形成変化が生じます。MRIでは骨髄浮腫性変化を認めます。 ある条件下では、月状骨と衝突します。

尺骨インピンジメントの概要

項目

内容

病態

短縮した尺骨が橈骨遠位端や月状骨と衝突し、関節面に圧迫・摩擦が生じる

好発部位

尺骨遠位端(DRUJ:遠位橈尺関節)

主な症状

手関節尺側の痛み、可動域制限、握力低下

画像所見

橈骨側の骨硬化、陥凹変形、骨髄浮腫(MRI)

検査

X線(尺骨長の評価)、MRI(骨髄浮腫・関節面損傷)

️ 治療

保存療法(安静・装具)、手術(尺骨延長術、関節鏡視下デブリドマン)


以下の条件下では短縮した尺骨でも月状骨と衝突します。

衝突する可能性がある形態的条件

条件

内容

解説

橈骨遠位端骨折後の変形癒合

橈骨が短縮・傾斜する

相対的に尺骨が「長く見える」状態となり、衝突が生じる

月状骨の高位変位

月状骨が近位方向に偏位

TFCC損傷や靱帯不安定により月状骨が尺骨に近づく

TFCCの変性・断裂

関節支持性の低下

月状骨が不安定になり、尺骨との接触が増加

前腕回内位での動的変化

ulnar varianceが動的に増加

回内位では尺骨が相対的に遠位へ突出し、衝突が起こりやすくなる

橈骨の傾斜変形(radial tilt)

月状骨窩が尺側に傾く

月状骨が尺骨に近づく構造的変化

 

参考:『orthopaedics』2014年9月号「インピンジメント症候群 病態と治療」

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