尺骨インピンジメント
短縮した尺骨が橈骨と衝突することによって痛みが生じます。橈骨の衝突部位に、骨硬化、陥凹変形、骨形成変化が生じます。MRIでは骨髄浮腫性変化を認めます。
ある条件下では、月状骨と衝突します。
尺骨インピンジメントの概要
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項目 |
内容 |
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病態 |
短縮した尺骨が橈骨遠位端や月状骨と衝突し、関節面に圧迫・摩擦が生じる |
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好発部位 |
尺骨遠位端(DRUJ:遠位橈尺関節) |
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主な症状 |
手関節尺側の痛み、可動域制限、握力低下 |
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画像所見 |
橈骨側の骨硬化、陥凹変形、骨髄浮腫(MRI) |
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検査 |
X線(尺骨長の評価)、MRI(骨髄浮腫・関節面損傷) |
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️ 治療 |
保存療法(安静・装具)、手術(尺骨延長術、関節鏡視下デブリドマン) |
以下の条件下では短縮した尺骨でも月状骨と衝突します。
衝突する可能性がある形態的条件
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条件 |
内容 |
解説 |
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橈骨遠位端骨折後の変形癒合 |
橈骨が短縮・傾斜する |
相対的に尺骨が「長く見える」状態となり、衝突が生じる |
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月状骨の高位変位 |
月状骨が近位方向に偏位 |
TFCC損傷や靱帯不安定により月状骨が尺骨に近づく |
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TFCCの変性・断裂 |
関節支持性の低下 |
月状骨が不安定になり、尺骨との接触が増加 |
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前腕回内位での動的変化 |
ulnar varianceが動的に増加 |
回内位では尺骨が相対的に遠位へ突出し、衝突が起こりやすくなる |
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橈骨の傾斜変形(radial tilt) |
月状骨窩が尺側に傾く |
月状骨が尺骨に近づく構造的変化 |
エビデンス:尺骨突き上げの病態
尺骨インピンジメント(尺骨突き上げ症候群)は、尺骨が橈骨より相対的に長い(尺骨プラス変異)ことで手関節尺側に過度の圧が加わり、TFCC損傷や月状骨・三角骨の変性を来す病態と総説で述べられています。(Im JH ら. J Wrist Surg. 2025)[1]。
エビデンス:wafer法 vs 尺骨短縮骨切り
尺骨インピンジメントに対する鏡視下wafer法と尺骨短縮骨切り術は、システマティックレビュー・メタ解析で概ね同等の成績が報告されています。(Shi H ら. J Orthop Surg Res. 2024)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Im JH, Kang SH, Lee KH. Ulnar Impaction Syndrome and TFCC Injury: Their Relationship and Management. J Wrist Surg. 2025;14(1):14-26. PMID: 39896911.
- Shi H, et al. Arthroscopic wafer procedure versus ulnar shortening osteotomy for ulnar impaction syndrome: a systematic review and meta-analysis. J Orthop Surg Res. 2024;19(1):149. PMID: 38378573.