腓骨神経麻痺とは、膝の外側にある腓骨頭で神経が圧迫されて起こる病気で、足首と足の指が上に上がらなくなり(下垂足)、足背や下腿外側がしびれるのが特徴です。神経は皮膚のすぐ下を走っているため、脚を組んだり、ギプスで強く圧されたり、長時間寝たきりになると起きやすいです。特に人工膝関節手術や骨折の治療後に起こることもあり、足が床に引っかかる「鶏歩き」になることがあります。筋力は足首の背屈だけが弱く、かかとをつけて立っても大丈夫なのがポイントで、腰の神経が原因とは区別できます。多くの場合、圧迫をやめれば数週間でよくなりますが、長く続くと足の動きが permanently うまくいかなくなることもあるので、早めの対応が大切です。
腓骨神経麻痺 peroneal paralysis
ガングリオンなどの腫瘍性圧迫、足の手術後、ギブス固定や架台での挙上等により膝裏の腓骨頭付近が圧迫されると起こります。
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原因 |
具体例 |
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圧迫 |
長時間のしゃがみ姿勢、ギプスやサポーターの締め付け、痩せた高齢者のベッド上安静 |
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外傷 |
膝外傷、腓骨骨折、膝関節脱臼、膝周囲の手術(例:人工膝関節置換術) |
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その他 |
糖尿病性ニューロパチー、神経腫瘍、坐骨神経からの分岐部病変、全身性疾患(例:Charcot-Marie-Tooth病) |
足関節と足趾が背屈しなくなる(下垂足)、下腿外側から足背、1-4趾背側のしびれが生じます。
治療は原因によって異なります。骨折や腫瘍性のもの、また症状が進行するものは早期に手術が必要です。
保存的に行う場合は、3ヶ月経過をみます。これで改善しない場合は、手術を考慮します。
参考:『臨床整形外科』2022年7月号「足関節周囲外傷の治療」 / 『脊椎脊髄・神経筋の神経症候学の基本』