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信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして |
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整形外科 外科 リハビリテーション科 |
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化膿性膝関節炎(Purulent Gonitis / Septic Arthritis of the Knee)化膿性膝関節炎は、膝関節内に細菌が侵入し、滑膜を中心に急性の炎症と膿の貯留を引き起こす感染性関節炎です。進行が速く、関節軟骨の破壊や敗血症に至るリスクがあるため、早期診断と迅速な治療介入が極めて重要です。 好発年齢・リスク因子高齢者、乳幼児、糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患を有する患者、免疫抑制状態、人工関節置換術後などが高リスク群とされます。 主な原因菌と感染経路最も多い原因菌は**黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)**であり、特にMRSAの関与も増加傾向にあります。その他、連鎖球菌、グラム陰性桿菌、インフルエンザ菌なども原因となります。 感染経路は以下の3つに大別されます: 血行性感染(菌血症からの播種)外傷や関節注射・手術創からの直接感染 周囲組織(蜂窩織炎、骨髄炎など)からの波及感染 臨床症状膝関節の激しい疼痛、発赤、腫脹、熱感、可動域制限が急速に出現します。全身症状として38℃以上の発熱、悪寒、倦怠感、食欲不振などを伴うことが多く、急性発症かつ単関節性であることが特徴的です。 診断以下の検査を組み合わせて総合的に診断します: 関節液穿刺:白血球数(WBC>50,000/μL)、グラム染色、細菌培養、結晶検査(痛風・偽痛風との鑑別)血液検査:CRP、白血球数、血液培養 画像検査:X線(関節裂隙の狭小化、骨破壊)、MRI(滑膜炎、膿瘍形成)、CT(骨破壊の詳細評価) 治療治療は緊急対応が原則であり、以下のステップで進めます: 抗菌薬投与広域スペクトル抗菌薬(例:セフェム系+アミノグリコシド系)を静脈投与し、培養結果に応じてde-escalationを行います。 関節液の排膿と関節固定 関節穿刺による排膿を繰り返し行い、関節を安静に保ちます。 関節内洗浄 関節鏡視下デブリドマン 予後と注意点治療開始が遅れると、関節軟骨の不可逆的破壊や関節強直、敗血症に至る可能性があります。発症から72時間以内の治療開始が推奨されており、特に高齢者や免疫抑制患者では早期対応が予後を大きく左右します。
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