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整形外科 外科
リハビリテーション科

足背捻挫 splain of dorsal foot

足関節の捻挫と同様に足背を捻ることはよくあります。昔は下駄を履いて起こることが多かったのですが、今はハイヒールなどが多いですし、バスケット、バレーボールなどのスポーツ障害としてもたびたび生じます。

捻ると骨や関節、靱帯がねじれます。ねじれに耐えられなくなると骨が折れたり靱帯が断裂します。その損傷した部位によって病名が与えられています。

足背捻挫に関連する主な疾患一覧

疾患名

損傷部位

主な症状

治療

リスフラン関節靱帯損傷

中足骨基部と足根骨の間

足背中央の腫脹・圧痛、荷重痛

ギプス固定(2〜4週)、重度例は手術

ショパール関節靱帯損傷

距骨・踵骨と舟状骨・立方骨の間

足背〜足根部の深部痛、可動域制限

固定・安静、難治例は関節固定術も検討

二分靱帯損傷
(calcaneonavicular & calcaneocuboid ligament)

踵骨と舟状骨・立方骨の間

足背外側の痛み、歩行時痛

ギプス固定(2週〜)、テーピング・サポーター

第5中足骨基部骨折
(急性外傷型)

第5中足骨粗面部

足背外側の腫脹・圧痛、歩行困難

保存療法(ギプス・免荷)

Jones骨折
(疲労骨折型)

第5中足骨の基部より遠位

運動時痛、治癒遅延

早期手術が推奨されることも

中足骨疲労骨折

第2〜4中足骨

徐々に増悪する足背痛、限局性圧痛

安静・免荷、骨癒合まで経過観察

足背腱鞘炎

長趾伸筋・長母趾伸筋腱

足背の腫脹・伸展時痛

NSAIDs、ストレッチ、超音波療法


第五中足骨基部骨折は、近位のものは治りやすいですが、それよりやや遠位に疲労骨折として起こるJones骨折は保存治療が難しく手術を早めに行っておく方が良いとされています。急性外傷による基部骨折と疲労骨折による基部よりやや遠位で生じるJones骨折が混同されて解説されている専門書もありますので注意が必要です。

また中足骨と足根骨の関節をリスフラン関節といいますが捻挫により靭帯損傷が度々起こります。更に近位にあるショパール関節の靭帯損傷も起こります。

また足関節よりやや遠位の二分(にぶん)靭帯損傷(踵骨→立方骨、舟状骨をつないでいる)が起こることもあります。二分靱帯の損傷はギブス固定を2週間ほど行うか、テーピングやサポーターで経過をみます。

靭帯損傷では数週間から一ヶ月程度の固定が必要なことが多いです。固定期間は痛みや部位に応じて変わります。いずれも筋力が低下しないようにリハビリを可能な限り早期に開始します。