池田医院
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整形外科 外科 リハビリテーション

頚が痛くて枕を低くしても良くならない理由

頚椎は枕が無いと過剰に後屈して神経が引っ張られやすくなり、頸椎症などがある場合は更に症状が悪化します。従って枕の高さを調整する必要があります。

枕の高さが頚椎のカーブを変える

上向きに寝てあごが少し引く程度になるのが程よい高さとされています。お試しください。

枕の高さで頚椎はどう変わるのか

健常な方を対象に、枕の高さ(110mm〜170mmの4段階)を変えながら頭頚部の圧力分布と頚椎のアライメントを調べた研究では、枕が高くなるほど頚椎(特に上位頚椎)の伸展・前弯が強まり、頭頚部にかかる圧力も増えることが示されています(Ren S, et al. PeerJ. 2016;4:e2397)。逆に枕が低すぎたり無かったりすると、頭が後ろに落ち込む形で頚椎が過度に伸展し、神経の通り道である椎間孔が狭くなりやすくなります。つまり「高すぎても低すぎても頚椎への負担が変わる」ため、ちょうど良い高さを見つけることが重要になります。

実際に、肩こり・頚部痛を訴える84人を対象に、専門的な方法で枕の高さを厳密に調整した臨床研究では、約半数の患者で痛みの臨床的に意味のある改善が得られたと報告されています。この研究では、仰向けに寝たときの頚部の傾斜角がおよそ15度程度になるのが目安とされています(Yamada S, et al. J Phys Ther Sci. 2023;35(2):106-113)。これは「あごを少し引く程度」という感覚的な目安と、おおむね一致する数値です。

うつぶせ寝は頚椎がねじれやすい

うつぶせ寝ばかりという方もおられますが胸腰椎に対して頚椎がねじれますので悪化しやすいです。これは癖になっていることも多いので徐々に改善するようにしましょう。

うつぶせ寝と首の症状の関係

睡眠時の姿勢と起床時の脊柱の症状との関連を調べた研究では、うつぶせを主な睡眠姿勢とする人は、起床時の頚部症状を訴える割合が最も高かったと報告されています(Cary D, Jacques A, Briffa K. PLoS One. 2021;16(11):e0260582)。うつぶせで眠ると、呼吸のために顔を横に向け続ける必要があり、その間ずっと頚椎が一方向にねじれた状態になることが、負担の一因と考えられています。長年の習慣になっていることも多いため、無理に一晩で変えようとせず、抱き枕を使うなどして横向き寝に少しずつ慣らしていくのが現実的です。

参考文献一覧を見る(全3件)
  1. Ren S, Wong DW, Yang H, Zhou Y, Lin J, Zhang M. Effect of pillow height on the biomechanics of the head-neck complex: investigation of the cranio-cervical pressure and cervical spine alignment. PeerJ. 2016;4:e2397.
  2. Yamada S, Hoshi T, Toda M, Tsuge T, Matsudaira K, Oka H. Changes in neck pain and somatic symptoms before and after the adjustment of the pillow height. J Phys Ther Sci. 2023;35(2):106-113.
  3. Cary D, Jacques A, Briffa K. Examining relationships between sleep posture, waking spinal symptoms and quality of sleep: A cross sectional study. PLoS One. 2021;16(11):e0260582.