舟状・月状骨離開(Scapho-lunate Dissociation)
手根不安定症のひとつ。外傷によって起こります手を突いて転倒したり舟状骨骨折に伴って起きることがあります。舟状骨骨折を放置して偽関節になったもの、TFCC損傷で併発したりします。
症状は手関節の痛みです。レントゲンで舟状骨と月状骨の間が開きます(3mm以上)が、そうでないものもあります。手をぐっと握ってレントゲンを撮ると分かることがあります。
急性期は切れた靭帯をつなぐ手術をします。慢性期は症状の軽いものは手関節を固定する装具(サポーター)、強ければ関節を固定する手術、手根骨を一部切除したり固定したりします。
放置しておくと手根骨全体のバランスが崩れ、SLAC(scapho-lunate advanced collapse)wristや舟状-大菱形小菱形骨間関節(STT関節)変形を起こします。
エビデンス:舟状月状骨間の不安定性と診断
舟状月状骨間靱帯の損傷は手根不安定症の最も多い原因であり、臨床評価とレントゲンなどの画像評価にもとづく診断が重要とされています。本文の手根不安定症の一型という記述に対応します。(Wessel LE ら. J Hand Surg Am. 2023年)[1]。
エビデンス:放置による進行と治療
未治療のまま経過すると手根骨全体の変性が進行し、舟状月状骨進行性崩壊(SLAC)に至りうるとされます。手術治療は靱帯の再建・修復により変性の進行を止めることを目的とし、術式により術後の関節症化率が異なると報告されています。本文のSLAC wristへの進行に対応します。(Lami E ら. J Hand Surg Glob Online. 2025年)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Wessel LE, Wolfe SW. Scapholunate Instability: Diagnosis and Management - Anatomy, Kinematics, and Clinical Assessment - Part I. J Hand Surg Am. 2023;48(11):1139-1149. PMID: 37452815.
- Lami E, Kramer J, Mzeihem M, Amirouche F. Surgical Treatments for Scapholunate Ligament Injuries and Development of Arthritis in the Wrist: A Systematic Review. J Hand Surg Glob Online. 2025;7(6):100827. PMID: 41356616.