筋挫傷 strain
筋肉に強い外力がかかり、筋繊維が断裂、筋層内に内出血を起こします。内出血は通常、塊となって血腫を形成します。筋繊維が切れて内出血しても、筋肉を覆っている筋外膜が破れない場合は内圧が上昇して疼痛を起こします。
さらに強い力の場合は、筋外膜がが破れ、筋区画内(筋コンパートメント)での内圧が上昇し、区画内を通る主要な血管や神経が圧迫されて、著しい疼痛と運動制限をきたします。さらには、区画内の阻血性筋壊死が生じます。→コンパートメント症候群
典型例ではバスケットやサッカーで相手の膝が太ももに入って筋肉の損傷が生じます。筋肉が断裂して出血を起こすと血腫を形成します。
受傷時の出血をいかに少なくするかが応急処置では重要です。太ももの前面の場合は、ただちに運動を終了し、膝をくの字に曲げた状態で固定しアイシングをします。この圧迫が早くきちんと行われると出血も少なく早く治ります。
治療は筋挫傷の程度によって異なりますが大きな血腫を形成していなければ保存的に治療していきます。骨周辺の出血は骨化しやすく、早期に無理なストレッチを行うと骨化性筋炎となりますので注意が必要です。
エビデンス:筋挫傷の病態と分類
筋挫傷(打撲による筋損傷)は、膝の屈曲角度などで重症度が分類され、肉離れとは異なる病態で、骨化性筋炎の合併に注意が必要と総説でまとめられています。(Trojian TH. Clin Sports Med. 2013)[1]。
エビデンス:超音波と競技復帰
大腿四頭筋の挫傷では、超音波による重症度評価と、それに応じた競技復帰が報告されています。(Torres RJL ら. J Med Ultrason (2001). 2018)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Trojian TH. Muscle contusion (thigh). Clin Sports Med. 2013;32(2):317-324. PMID: 23522512.
- Torres RJL, Hattori S, Kato Y, Yamada S, Ohuchi H. Ultrasonography and return to play of the different clinical grading of quadriceps contusions: a case series. J Med Ultrason (2001). 2018;45(2):375-380. PMID: 28988329.
参考:『スポーツ整形外科学3 下肢のスポーツ外傷・障害』 / 『Orthopaedics』2023年10月号