表紙に戻る
池田医院へようこそ
信頼とまごころの医療
からだにやさしい医療をめざして

整形外科 外科
リハビリテーション科

膝蓋下脂肪体炎(Hoffa病) Hoffa disease

膝蓋腱より深層にクッションのような形で脂肪の塊があります。これを膝蓋下脂肪体と言います。
運動などの機械的な刺激で微少な内出血がおこり、それが刺激されて結合組織が増殖し腫大します。
その結果、膝の運動時にインピンジメントを起こすとされています。

神経組織に富み、炎症により痛みや圧痛が生じ、時には痛みのため歩行困難となります。
診断は、ひざを屈伸させてみて、屈曲時には痛みはでずに伸展時に痛みが強く出ます。
これは膝蓋下脂肪体が膝を曲げると膝関節内へ格納されるようになり圧力が下がるためであり、伸展すると関節の表面に押し出されて圧力が上がるためです。
これに比し、膝蓋腱の炎症では屈曲時の方が牽引されるため痛みが強くなります。

超音波検査では、脂肪体の肥厚、線維化による高輝度化等がみられます。

治療は保存的治療を行います。局所の安静、温熱治療などを試みます。四頭筋が硬化して短縮していることが多いのでストレッチや膝蓋骨の可動性の向上をはかります。
改善しない場合はステロイドの注入を行います。鏡視下に手術を行うこともまれにあるとされています。

鑑別診断としてはJumper膝、Anterior knee pain syndrome (AKPS)があります。