池田医院へようこそ
信頼とまごころの医療
からだにやさしい医療をめざして
整形外科 外科 リハビリテーション科

変形性肘関節症

変形性肘関節症

いつの間にかなんとなく肘が伸びにくくなっていたり曲げにくくなってしまいます。外傷や肘周辺の骨折後に起こることもあります。動作時には痛みを伴うことも多いです。関節内に軟骨が遊離している場合、時に挟まって急に動かなくなったりします。(ロッキング現象)レントゲンを撮ると骨棘という骨のトゲが見つかったり関節の軟骨がすり減って骨と骨がくっつくようになります。

治療は洗顔、食事、トイレ等の日常生活に不自由がなければ保存的治療が選択されます。動かすときに痛みが強ければ、少し関節を休められるように三角巾や装具を用います。また温熱治療、低出力レーザー、超音波治療などが有効です。

日常生活に支障が出るほど動きが悪かったり、痛みが改善しないとき、またロッキングを繰り返す場合は骨棘や滑膜、遊離軟骨を除去したり切除します。変形により小指や環指の外半分がしびれる肘部管症候群を起こすことがあります。

原因:加齢による退行変性、肘関節内骨折・脱臼、痛風・偽痛風、骨壊死、離断性骨軟骨炎、感染後、関節リウマチ、結核など。加齢のみで治療を要する変形性関節症が生じることはまれで、スポーツや労働などにより慢性的に肘関節に負荷がかかっていることが多い。

症状:最大屈曲・伸展時の疼痛が特徴。典型例は伸展障害。引っかかり感、ロッキングが起こることあり。肘部管症候群を合併しやすい。

治療:保存的治療が基本。骨棘形成による可動域制限はリハビリテーションなどでは改善しない。

手術:可動域制限となっている骨棘を除去する。骨棘が小さく遊離体などは鏡視下手術。内反肘は矯正骨切り術も行う。高齢者で疼痛や可動域制限が強く関節裂隙の狭小化が著しい場合は人工肘関節置換術を行います。

エビデンス:骨棘・遊離体形成と軟骨温存

原発性変形性肘関節症は骨棘・遊離体の広範な形成と関節包の拘縮を特徴とし、関節軟骨は比較的温存されるとされ、術前評価にはCTが有用と総説で述べられています。(Martinez-Catalan N ら. J Clin Orthop Trauma. 2021)[1]

エビデンス:骨関節包郭清術

症候性の変形性肘関節症に対する鏡視下・直視下の骨関節包郭清術(osteocapsular débridement)は屈曲・伸展や機能スコアを確実に改善し合併症も少ない有効な手術選択肢と系統的レビューで報告されています。(Guerrero EM ら. J Shoulder Elbow Surg. 2020)[2]

エビデンス出典(全2件)を見る
  1. Martinez-Catalan N, Sanchez-Sotelo J. Primary Elbow Osteoarthritis: Evaluation and Management. J Clin Orthop Trauma. 2021;19:67-74. PMID: 34099969.
  2. Guerrero EM, Bullock GS, Helmkamp JK, et al. The clinical impact of arthroscopic vs. open osteocapsular débridement for primary osteoarthritis of the elbow: a systematic review. J Shoulder Elbow Surg. 2020;29(4):689-698. PMID: 32197763.

参考:『整形・災害外科 2022.4 肘関節鏡視下手術のテクニック』 / 『整形・災害外科 2023.11 変形性関節症の病態に迫る』 / 『関節外科』2023年10月号 / 『手外科診療ハンドブック 改訂第3版』 / 『Orthopaedics』2023年5月号