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池田医院・診療日記
信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして

整形外科 外科 リハビリテーション科

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2019年1月 謹賀新年
1日(火) 冬季休診
2日(水) 冬季休診
3日(木)  冬季休診
4日(金)  冬季休診
5日(土) 冬季休診
6日(日)  
7日(月)  本日のコラム437 謹賀新年

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 
8日(火)  本日のコラム438 筋疾患と脊椎脊髄病変との鑑別

 <多発性筋炎・皮膚筋炎などの筋炎>
 急性、慢性に発症し、四肢近位優位型の筋力低下が起こる。階段が上りにくい、腕を挙上しにくいなどの症状に結成CK上昇を伴う。腱反射は減弱または消失し、感覚障害は認めない。高CK血症は数百から数千IU/Lとなる。CKアイソザイムはMM型となる。

 確定診断:筋生検所見、筋電図所見を参考にする

 筋電図では、随意収縮時に低振幅、短持続などのミオパチー所見。針刺入時に高頻度反復放電、線維性収縮(脱神経所見)、陽性鋭波をしばしば認める。脂肪抑制MRIで障害筋が描出が可能。(限局された筋が障害される)

 皮膚筋炎の特徴:ヘリオトロープ疹(片側、両側の眼瞼部の紫紅色浮腫性紅斑)、Gottron徴候(手指関節背側の角質増加、皮膚萎縮を伴う紫紅色紅斑)、四肢関節伸側の紫紅色紅斑。悪性腫瘍の合併率は20−40%なので十分な検索が必要。筋力低下はあっても軽微。

<封入体筋炎>

 50歳以降に好発。慢性進行性の筋炎。下肢近位筋、特に大腿四頭筋の障害が強い。ステロイドホルモンに反応しない症例が多い。機序は不明。

<感染性筋炎>

 感冒などを契機にウイルス感染で発症。原因ウイルスが特定できることは少ない。症状は多発筋炎と同じだが、急激に発症する。。
 Bornholm病:コクサッキーB群ウイルス。筋力低下、発熱、下肢や上腹部に発作性疼痛。予後は良好。CKが数千に上昇することが多い。

■進行性筋ジストロフィー■

1.Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)
 伴性劣性遺伝。男児に発症する。女性で症状が軽く発症も遅いmanifested carrier(症候性保因者)がある。症候性保因者の多くは
DMD罹患男児を出産する。初発症状は処女歩行の遅延。歩行可能となっても転倒しやすく、走れない、飛べないなどの症状がでる。
四肢近位筋、体幹筋の筋力低下、萎縮が進行する。16−17歳以降は心不全、呼吸障害がでるが人工呼吸器装着で延命できるとされている。

2.Becker型筋ジストロフィー
 伴性劣性遺伝。初発年齢は5−25歳で、歩行不能もDMDよりかなり遅い。四肢近位筋の筋力低下と筋萎縮が特徴。腓腹筋の仮性肥大。心機能低下が起こり右心不全の発症。

3.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
 常染色体優性遺伝。10代で発症。閉眼筋が弱く、口笛が吹けない。翼状肩甲。仮性筋肥大なし。CK軽度上昇

4.支帯型筋ジストロフィー
 上記1,2,3以外の筋ジストロフィーを本症と診断することになる。

5.遠位型ミオパチー
 遠位筋優位に障害。遅発性遠位型ミオパチー、遠位型筋ジストロフィー、縁どり空胞型遠位型ミオパチー、眼・咽頭遠位型ミオパチーなどがある。

6.先天性筋ジストロフィー
 脳形成障害または知能障害を伴う群、伴わない群に分けられる。

■筋硬直性ジストロフィー■
 筋硬直(ミオトニア)を起こす一群の疾患。筋硬直性ジストロフィーが一番多い。特徴は筋硬直現象(手を握ると容易に開けない、把持性筋硬直。叩打性筋硬直:母指球、舌圧子の上をハンマーでたたくとクローバー状に舌変形。)、知能障害、早期前頭部禿、白内障、四肢近位筋の萎縮、筋力低下。斧状顔貌。頭蓋骨肥厚。脊柱靱帯骨化症、心伝導障害(房室ブロック、脚ブロック)、針筋電図で強直性放電(刺入時に高頻度反復発射がおこり、スピーカーで聴くと急降下爆撃音)。第19染色体長腕に異常。

■先天性ミオパチー■
 出生時に筋緊張が低下している。哺乳力障害、呼吸困難、歩行開始の遅れ
 
9日(水) 本日のコラム439 胸痛・腹痛を呈する内臓疾患と脊椎脊髄疾患との鑑別

 <Cervical angina 頚性狭心症>
 頸椎神経根の圧迫で狭心症様の前胸部の痛みが起こることがある。前胸部の痛み、腋窩(わきのした)から左上肢に放散する痛みやしびれ、ほとんどの例で頸椎の運動制限(特に伸展制限)が起こる。

 頸椎運動で放散痛は出現しても胸痛発作の再現は少ない。C5/6、C6/7椎間に責任病変を認めることが多い。投薬はあまり効果が無く、頚椎カラーや頚椎牽引が有効とされる。運動麻痺の合併が無い限り、保存治療が第1選択となる。発生機序は十分には解明されていない。狭心症との鑑別が重要。心臓の器質的疾患を除外する。

<体幹部帯状絞扼感>
 体幹部で帯状に締め付け感が出る。もっと多いのは多発性硬化症で、頚髄レベルの圧迫性ミエロパチー(OPLL、椎間板ヘルニア)、両側の神経根症、糖尿病性体幹ニューロパチーなどで起こる。この帯状絞扼感は偽性局在徴候であることが多く、病変レベルと一致することが少ない。長経路徴候(Long tract sign)とされている。→胸椎レベルだけで無く頸椎レベルの検索が必要。
 

10日(木) 
11日(金) 
12日(土)
13日(日)
14日(月)
15日(火) 
16日(水) 
17日(木) 本日のコラム440 頚椎変性疾患

 <頚部脊髄症>
 何らかの原因(圧迫性、血管性、炎症性、外傷性、放射線性)により、頚髄に障害が生じて脊髄麻痺を来したもの。ほとんどが圧迫性。応力は脊髄中心部から始まり圧迫の増大に伴って側索後方に広がる。


  服部の分類  
 I型  脊髄中心部( 脊髄灰白質の障害) 上肢筋萎縮、上肢運動障害、上肢反射(↓)、下肢反射(N)、上肢知覚障害や下肢症状は無い
 II型  I型+後側索部(錐体路)  I型+後側索部:I型の症状に加えて、下肢反射(↑)、軽度の歩行障害。
下肢・体幹の温痛覚障害(−)
 III型  II型+前側索部(脊髄視床路)  II型の症状に加えて、下肢・体幹の温痛覚障害(+)
  *I型の更に初期に、脊髄後角の楔状束が障害されて、C3/4レベルでも手のしびれから発症することが殆どで初発症状となる。
 
*服部の分類は病理学的障害の進行度に応じて分類されている。


 頚髄症の症状は髄節徴候(Segmental sign)、長経路徴候(long tract sign)に分けられる。

 髄節徴候:脊髄中心部の灰白質障害による。上肢のしびれ感、感覚障害、進行すると前角細胞まで障害されると筋力低下や筋萎縮が出現。しびれ感は障害の責任高位によって異なる。



 長経路徴候:下行性運動路(錐体路など)および上向性感覚路障害(脊髄視床路や後索など)により歩行障害、下肢・体幹の感覚障害、反射亢進、膀胱直腸障害が生じる。手の巧緻障害は、手固有筋の痙性麻痺が原因とされ、筋萎縮が無い初期にも見られる。筋電図で神経原性変化を認める。

 *索路障害 層状構造のため、下肢から上行性に麻痺が広がるのが特徴。

 頚髄症の初発症状:手指のしびれ感が約50%、下肢・体幹のしびれを含めて64%。しびれ感は障害された脊髄高位に発症する特徴がある。

 C3/4:全指
 C4/5:母指〜中指
 C5/6:中指〜小指

 手術に至る経過:片側手指のしびれ感で発症し、次第に対側手指、下肢へとしびれ感が拡大し、歩行障害もきたして手術を受けることが一般的とされる。

 灰白質→後側索→前側索と障害が進行する 3人に1人は巧緻障害を認める。頚肩腕痛で始まる例は10%以下。馬尾障害である下肢の冷汗や灼熱感で発症した例が7%に見られたという報告がある。

 他覚所見:しびれ感以外の上下肢表在感覚障害(8割)、深部感覚障害(下肢で55%)、上下肢の筋力低下(上肢6割、下肢8割)、筋萎縮(3割)、上下肢の反射亢進(上肢6割、下肢8割)、Babinski反射+4割。
 
18日(金)  本日のコラム 頚椎変性疾患2

<頚部神経根症>

 根症の特徴は、頚部から上肢の放散痛。頚部脊髄症では頚部痛〜上肢痛は伴わない。(脊髄症ではまれに頚部痛あり)
 放散痛の分布:C6上肢外側、C7上肢後方、C8上肢内側

 *頚性狭心症:C7神経根痛であることが多い

 しびれ感:脊髄症では手のしびれ感に責任高位によりパターンがあるが、根症ではパターンが明らかで無いことが多い。C5しびれ感なし、C6母指、C7示・中指、C8小指にしびれ。頚髄症に比し単指に強くしびれがでる。

 筋力低下:C5三角筋、C6上腕二頭筋、C7上腕三頭筋、C8手内筋、実際には重複支配が多く、2つ以上の筋で低下が出るのは重度の神経支配障害と考える。

 *Keegan型頸椎症(解離性運動麻痺)  頚椎症性筋萎縮症(CSA)は近位型(Keegan型頚椎症)と遠位型(平山病)がある 

 Keegan型頸椎症では、肩関節の挙上障害を特徴とする。感覚障害をほとんど伴わず、三角筋C5、上腕二頭筋C5,C6の筋力低下を認める。改善は上腕二頭筋から見られる。C6支配の手内筋は筋力低下を見ない。

 神経根症では、脊髄症のような明らかな感覚障害を起こすより、しびれ感の強い指に異常感覚を訴えることが多いとされている。

<脊髄神経根症>

 脊髄症+神経根症となったもの

 高位診断の注意:根症レベルより脊髄は運動で1髄節、感覚で2髄節上方にずれている。従ってC5/6の障害で、C6神経根、運動はC7髄節、感覚はC8髄節の障害となる。
 
19日(土) 本日のコラム 頸椎変性疾患3

<腰部脊柱管狭窄症>
 腰痛が伴わない例は10%程度で、下肢症状に加えて軽度の腰痛を訴えることが多い。立位の継続や歩行で下肢の痛みやしびれが悪化し、歩行を継続すると症状の程度、範囲が広がる。症状は前屈位で緩和もしくは消失する。自転車で前傾姿勢をとると症状は誘発されない。馬尾性間歇性跛行。

 SLRは8割が正常。知覚障害は75%程度にでる。歩行負荷テストで症状が出る。多根性の馬尾障害の場合、髄節に一致せず下肢全体に知覚障害をみることがある。安静時の知覚障害は不可逆性変化を意味する。筋力低下、下垂足。膀胱機能障害。アキレス腱反射の減弱・消失。下肢腱反射が亢進している場合は、中枢側での障害を考え上肢の腱反射や病的反射、胸椎レベルの障害も考慮する。

 *足背動脈は正常でも10%が触知できないが、後脛骨動脈は0.1−0.2%と報告されている。
 
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