(火) 本日のコラム225 尺骨手根伸筋腱炎
尺骨手根伸筋:起始 上腕骨外側上顆、尺骨後縁 停止 第5中手骨基部、橈骨神経支配
作用:手関節の背屈と尺屈
ECU腱は、手関節背側部の第6伸筋腱区画内で尺骨遠位の尺骨形状突起橈側の腱溝を通過します。
尺側手根伸筋腱炎(ECU腱炎)は手関節部の腱鞘炎のうち、de Quervain病に次いで多く、20-50歳代を中心に利き手を発症することが多い。原因としては、使い過ぎ以外に、スポーツ等の外傷により手関節の捻挫、転倒などが原因となることもあります。テニスやゴルフ、バレーボールなどで手を捻る動作を繰り返すと起こりやすい。
治療は、アイシング、消炎鎮痛剤の投与、理学療法の実施、ストレッチ、腱鞘内へのステロイド注射、外固定などを行う。これら保存療法が無効な場合は、手術療法を考慮します。
(水) 本日のコラム226 月状三角骨開離 lunotriquetral dissociation
手関節不安定症のひとつ。
月状三角骨解離は報告数も少なく、診断や治療をどのようにするかは明らかではありません。建部らの報告によると尺側の痛みを訴える疾患でTFCC損傷、ECU腱炎などとの鑑別が必要となります。診断にはレントゲン、MRI、関節造影を行い、最終的には関節鏡による判断となります。治療は外傷による急性期は装具などの保存療法が行われ、治療に抵抗する場合は手術療法が考慮されます。手術は靱帯縫合や再建、関節固定が選択されます。
*月状三角骨靱帯損傷(LT靱帯損傷) 前腕回内位、手関節橈屈で手関節過伸展強制と掌側よりの直達外力が豆状骨に加わって発症します。単独損傷は20%程度で、TFCC損傷や月状骨周囲脱臼、舟状骨骨折、橈骨遠位端骨折、尺骨茎状突起骨折などの外傷や尺骨突き上げ症候群に合併することが多いとされています。
*月状三角骨開離の診断と治療
月状三角靱帯開離は舟状月状骨開離に次いで高頻度に発生する手根靱帯損傷とされます。単独損傷の診断は困難を伴います。放置すると慢性の手関節痛となります。
外傷性の月状三角靱帯開離(LT靱帯開離)の原因は、単独損傷、TFCC損傷に合併する場合、月状骨周囲脱臼(骨折)に伴うものなどがあります。また、非外傷性のものとして、尺骨突き上げ症候群があります。
尺骨突き上げ症候群は初期にはTFCCの円盤部の摩耗や断裂が生じ、進行するとLT靱帯が断裂します。
(木)
本日のコラム227 月状三角骨開離2 lunotriquetral dissociation
*Melone分類(外力によるstage分類、stage順に損傷が拡大)
stage1.TFCC損傷
stage2.尺側手根伸筋(ECU)腱鞘損傷
stage3.尺側手根靱帯
stage4.LT靱帯
stage5.三角有頭(有鈎)靱帯損傷
*TFCC損傷の分類
1.外傷による損傷
ⅠA:中央部の穿孔
ⅠB:尺骨付着部の剥離
ⅠC:遠位側付着部の剥離
ⅠD:橈骨付着部の剥離
2.変性による損傷
ⅡA:TFC断裂
ⅡB:TFC断裂に、月状骨や尺骨の軟骨軟化巣を伴うもの。
ⅡC:TFC穿孔に、月状骨や尺骨の軟骨軟化巣を伴うもの。
ⅡD:TFC穿孔に、月状骨や尺骨の軟骨軟化巣、月状三角骨靭帯穿孔を伴うもの。
ⅡE:TFC穿孔に、月状骨や尺骨の軟骨軟化巣、月状三角骨靭帯穿孔、尺骨手根関節症を伴うもの。
尺骨突き上げ症候群でも、IIAからIIEまで尺側のTFCCを中心として軟部組織に損傷が進行し、TFCC diskの摩耗や断裂が起こり、それに伴って遠位橈尺関節(DRUJ)関節炎となり、中期以降にLT靱帯損傷が生じます。
(金)
本日のコラム228 月状三角骨開離3 lunotriquetral dissociation
*診断
理学所見
1.Ulnal snuff boxの圧痛:ECU腱 FCU腱の間、茎状突起遠位2cmに圧痛
2.LT ballottement test:月状骨と三角豆状骨を別々に把持し、掌・背側方向に不安定性と有痛性轢音
3.LT compression test:三角骨を尺側から押さえ、手関節を他動的に橈屈するとLT関節に圧迫力が加わる。疼痛と不安定性+
画像所見
1手関節単純X線:正面像通常LT間距離は開大しない。三角骨が中枢に転位。(Gilula lineの破綻)
側面でVISI変形(月状骨が15°以上掌屈転位)
手関節橈尺屈動態撮影やグリップ時のストレス撮影で、アライメント異常。正面像で2mm以上のLT関節のStep off(Gilula lineの破綻)や側面像でVISI変形(月状骨が15°以上掌屈転位)
2.橈骨手根関節造影:LT間から造影剤の漏出、手根中央関節造影で同様に漏出あるいは膨隆。
(土)本日のコラム229 月状三角骨開離4 lunotriquetral dissociation
*関節鏡
Geissler's classification
GRADE 1 : 関節の不適合なし。靱帯実質に出血痕+
Attenuation or hemorrhage of interosseous ligament as seen from the radiocarpal space.
No incongruency of carpal alignment in midcarpal space.
GRADE 2 : 手根中央関節のみに不適合性(2mm以上のstep)があり、靱帯の不全断裂+。LT間に1mm径プローブ挿入可
Attenuation or hemorrhage of interosseous ligament as seen from the radiocarpal space.
Incongruency or step-off seen in midcarpal space.
There may be a slight gap (less than width of probe) between carpal bones.
GRADE 3 :橈骨手根関節と手根中央関節の両方で不適合。不全断裂または掌側OR背側靱帯の完全断裂+ 手根中央関節で1mmプローブが挿入回転可
Incongruency or step-off of carpal alignment as seen from both radiocarpal and midcarpal
space.
Probe may be passed through gap between carpal bones.
GRADE 4 : 2.7mmの関節鏡がLT間に挿入可能。背側骨間靱帯と背側手根靱帯の完全断裂。
Incongruency or step-off of carpal alignment as seen from both radiocarpal and midcarpal
space.
There is gross instability with manipulation
A 2.7 mm arthroscope may be passed through gap between carpal bones.
(日)
(月) 本日のコラム230 月状三角骨開離5 lunotriquetral dissociation
<LT損傷の手術適応>
手順:理学所見+各種画像→手根不安定性(疑)→保存療法無効(ギプス固定or装具)→関節鏡実施→病期や損傷程度により術式を決定。急性期は鏡視下デブリドマンを中心に開離2mm以上でピンニング。陳旧性は成書を参照してください。
(火) 本日のコラム231 電子カルテの導入
紙カルテにもそれなりに利便性はあるのですが、世の中の電子化が進み、レセプトはとうの昔に電子請求となっています。すなわち紙に書かれたものをパソコンに打ち込む作業が必要で、時間と労力の無駄となっていました。
そこで遅ればせながら当院も電子カルテの導入となるわけですが、一気にことが進むのでは無く、移行期間(練習期間)が必要とのことです。当面、紙カルテと電子カルテを併用して紙から電子媒体に変更していきます。
文字をタイピングして打ち込むのは芸が無いので、音声入力にトライしてみます。本格稼働は9月中旬以降となります。
(水) 本日のコラム232 尺骨突き上げ症候群 ulnar impaction syndrome
手関節は手根骨と橈骨、尺骨で構成されています。この疾患はは尺骨が相対的に橈骨より長くなってTFCCや手根骨を突き上げ圧迫し痛みを起こします。慢性の圧迫はTFCCの変性断裂、月状骨・三角骨近位の関節軟骨軟化、月状三角骨靱帯変性断裂を引き起こします。
尺骨が長くなる原因は生まれつきのこともありますが、橈骨遠位端骨折、Essex-Lopresti損傷、骨端線損傷などの外傷でも起こります。突き上げ症候群が起こると手関節を尺側に曲げると痛みが生じます。テニスでスピンをかける動作、手をついて立ち上がる、ドアノブを回す、蛇口を捻る、タオルを絞るなどの動作で痛みが出ます。
尺骨プラス変異に多いのですが、まれに尺骨マイナス変異でも起こります。周辺の手根骨の障害(月状骨尺側、三角骨の骨軟化症)やTFCC損傷の原因となります。プラス変異が2.5mm以上であれば、DRUJ不安定性を伴った尺骨突き上げ症候群を示唆する所見です。
保存治療は、消炎鎮痛剤、装具、理学療法などを行います。痛みが保存療で改善しない場合は、尺骨短縮術が一般的に行われます。
*Essex-Lopresti 損傷
橈骨頭骨折に遠位橈尺骨関節脱臼、前腕骨間膜の損傷を伴ったもの。治療に難渋することが多い。
(木)本日のコラム233 豆状三角骨関節症 pisotriquetral joint osteoarthritis ; PTJ-OA
豆状三角骨関節症は手関節尺側部痛を主訴とする疾患の一つです。痛みがなくとも小指の屈筋腱断裂が突如起こることがあります。
(原因)
外傷
加齢変性
炎症性石灰沈着
画像所見無く痛みのみ
(診断)
豆状骨に一致した手関節掌側部痛。圧迫痛があり、手を使うことが困難になることがあります。
画像所見では、正面側面2方向では、豆状骨と他の手根骨と重なるために診断は困難です。斜位像にて豆状三角骨関節を側面像としてみることができます。
関節症性変化は、CT の方が横断像、矢状断像にて、しっかり捉えることができます。
*関節症による骨棘などで小指屈筋腱皮下断裂が起こることがあります。断裂前から痛みを訴えていたというケースが少なく、突然小指の屈曲が不能となって気づくことが多いです。手関節30°回外斜位像やCT横断像で、手根骨の尺側壁に突出する骨棘が確認されれば断裂原因として疑われます。
またピロリン酸カルシウム結晶が沈着して、断裂こともあります。
手術法は、手根管内に突出した骨棘を切除する方法と、豆状骨切除する方法があります。断裂した腱は小指深指屈筋を環指深指屈筋へ腱移行する方法と断裂腱に長掌筋腱を架橋する腱移植で治療する方法があります。
*10日のコラムが抜けてました。早速修正いたしました。ご指摘ありがとうございます。
(金)
夏期休業
(土)
夏期休業
(日)
夏期休業
(月)
夏期休業
(火)
夏期休業
(水)
夏期休業
(木) 本日のコラム234
さて皆さん、お盆休みはいかがお過ごしだったでしょうか?久しぶりにのんびりされた方、家族で楽しく余暇を過ごされた方などさまざまなお休みだったと思います。
わたくしは、連日、9月中旬の電子カルテ導入に備えてカルテのサマリーづくりをしていました。これがなかなか大変で、進みません。少しずつXデーに向かって頑張るしかないです。
打ち込み、音声入力のいずれが早いかは微妙なところですが、出来るだけ音声入力で頑張ってみたいと思います。
遠位橈尺関節は橈骨・尺骨の遠位端で形成される車軸関節で前腕の回内・回外動作になっています。DRUJ障害は、手関節の尺側に痛み、回内回外の制限が生じます。これにより上肢機能の低下、日常生活動作の低下が起こります。
DRUJ 障害の診断は難しく、手関節尺側に起こる疾患を除外します。
| DRUJ 障害をきたす疾患 |
|
A:外傷 1.骨折 橈骨遠位端骨折 尺骨遠位端関節内骨折 尺骨茎状突起骨折 2.TFCC 損傷 単独損傷 遠位橈尺関節脱臼の合併 Essex-Lopresti脱臼骨折 |
|
B:変性 1.TFCC 損傷 2.尺骨突き上げ症候群 3.変形性手関節症 |
|
C:その他 1.尺側手根伸筋腱脱臼 2.関節炎 化膿性 結晶沈着性 |
| 手関節尺側部痛をきたす疾患 | |
| 外傷性 | 非外傷性 |
| 豆状骨骨折 有鉤骨鉤骨折 TFCC 損傷 月状三角靭帯損傷 尺側側副靭帯損傷 遠位橈尺関節脱臼 |
ECU 腱鞘炎 ECU 腱脱臼 FCU 腱消炎 豆状三角関節変形性関節症 尺骨突き上げ症候群 ギオン管症候群 ganglion Hypothenal hammer syndrome |
検査
レントゲン
CT
MRI
治療
保存治療:消炎鎮痛剤の内服、外用。手関節装具。DRUJへのステロイドや局所麻酔。改善しない場合は手術を考慮します。
手術療法:尺骨短縮術、Wafer procedure、Sauve-Kapandi Procedure
(土)本日のコラム236 尺骨茎状突起骨折
尺骨茎状突起骨折を骨接合すべきかどうかは、意見が分かれています。多くの場合、橈骨遠位端骨折に合併するために、まず橈骨を骨接合してから、JRUJの不安定性を評価して、明らかに不安定性を認めた場合に尺骨茎状突起の骨接合を追加すると言う考え方が妥当では無いかとする意見があります。
(日)
(月) 本日のコラム237 救急告示病院で断られた?
先日、急性の外傷で最寄りの病院に向かい救急外来を受診したところ、「断られた。」とのことで夜間、当院に来られました。重症の患者の対応に追われていたのか、定かではありませんが、せめてもう少し心ある対応をおこなって欲しいものです。
(火) 本日のコラム238 筋トレのススメ
年齢とともに、いつの間にか筋肉も衰えてきます。中年以降、毎年、1%ずつ筋肉量が減っていくと言われています。70歳になれば、若い頃の6-7割になってしまいます。筋肉は本来、必要なところに必要な分だけつくように出来ています。鍛えられたアスリートは、その分、筋肉量が増えます。一方で、筋肉はさぼりでもあります。使わないとどんどん無くなっていきます。
研究によれば、90歳を超えてもトレーニングを行うと筋肉量は増加します。歳だからと諦めずに、幾つになってもしっかりと歩けるように日々簡単なトレーニングを行うと良いでしょう。
(水) 本日のコラム239 足関節外側靱帯損傷
日常茶飯事に起こるケガですが、現状のゴールデンスタンダードである保存療法+早期運動療法が必ずしも満足度が高い訳では無く、3分の1が経過不良であるという報告もあります。しかしながら、それでは手術療法が優れているのかというと重度の靱帯損傷、すなわち完全断裂の場合でも手術の可否は意見が分かれています。
日常生活や目標とするスポーツレベルに大きな支障がある場合は、手術も選択枝になり得ます。しかしながら手術をしたからと言って満足するパフォーマンスが得られるかというと、これまた別の話で、多くがトップアスリートとしての従前の活躍は難しいとされています。
*ストレス撮影(レントゲン)
内がえしストレス 距骨傾斜角が10°以上、もしくは左右差が3°以上で前距腓靱帯損傷ありとします。
前方引き出しテスト 距骨前方移動距離が6mm以上、もしくは左右差3mm以上で前距腓靱帯損傷ありとします。
いずれも臨床症状と合わせて判断を行います。
(木) 本日のコラム240
ヒアルロン酸の関節内注射
当院では、以下の理由により早期の変形性関節症に対して、ヒアルロン酸の関節内注射を推奨しています。
まずはじめによくテレビの通販番組でみられる経口摂取のヒアルロン酸は、膝への効果はありません。これは消化管で分解されるために関節には届かないからです。ヒアルロン酸は直接関節内に注入して初めて効果が出ます。
ヒアルロン酸はもともと関節内に軟骨から分泌され半減期は12時間です。関節内でのヒアルロン酸の働きは、氷の10倍以上滑りやすくなり軟骨を摩擦から保護し、更には再生を促進します。加齢とともにヒアルロン酸の分泌は減少し、徐々に擦れやすくなり軟骨がすり減り、破壊されていきます。
この破壊された軟骨の断片はさらに関節内の炎症を引き起こし、滑膜が反応して炎症性の水が溜まるようになります。炎症性の水は粘度が低く,関節を保護する作用はありません。
このようにして、「加齢→ヒアルロン酸分泌減少→関節軟骨破壊促進→変形性関節症の進行」といった流れができあがります。
この流れを断ち切るのにヒアルロン酸は有効とされています。
数年前、米国で変形性膝関節症に対するヒアルロン酸は有効ではないとする発表が成されましたが、このリサーチは重症の変形性膝関節症に対して行われたもので、日本のように軽中等症に対するものではありません。
日本での研究では、早期の軽度~中等症までの変形性膝関節症に対して、ヒアルロン酸の関節内注射は,関節の炎症を改善し、水が溜まるのも減少する効果があるとされています。
従って、膝のヒアルロン酸注射を怖がらずに早期より積極的に上手く使っていくことが重要と考えます。
(金) 本日のコラム241 ひとくちにヒアルロン酸と言いましても
精製ヒアルロン酸ナトリウム3999
hyaluronate sodium
★アルツ Artz(生化学)
★スベニール Suvenyl(中外)
関節注:25mg/2.5mL/A(V)
ディスポ関節注:25mg/2.5mL/キット
ヒアルロン酸Na(沢井 [注]1%,シオノ [注]1%,武田テバ [注]1%,日新 [注]1%,ニプロ [注]1%),
ヒアルロン酸ナトリウム(日医工 [注]1%),
アダント(Meiji Seika [注]1%),
アドマック(武田テバ [注]1%),
グリオロン(日本臓器 [注]1%),
ヒアルトーワ(東和薬 [注]1%),
ヒアロス(マルホ [注]1%),
ヒカミロン(鶴原 [注]1%),
ヒュースレン(東和薬 [注]1%),
プリーラ(高田 [注]1%),
ルミステロン(日新 [注]1%)
★マークは先発品、それ以外は後発品(ジェネリック)です。おそらく後発品はもっとあると思われます。
このなかでどれを使うかは、医師の裁量となります。わたくしは、いずれの薬も先発品を使うのを原則としています。
(土) 本日のコラム242 整形分野の漢方治療 1
漢方では虚証、実証という考え方に基づいて、治療を行います。
実証:壮健な人が不健康になった状態
虚証:虚弱な人が不健康になった状態
このように考えると実証、虚証が分かりやすいと思います。
痛み止め(NSAIDsと併用)
実証:越婢加朮湯7.5g
虚証:桂枝加朮附湯7.5g
急性腰痛症
7日まで
疎経活血湯7.5g+芍薬甘草湯7.5g
8日目以降
疎経活血湯7.5g
(日)
(月) 本日のコラム243 整形分野の漢方治療2
<坐骨神経痛>
牛車腎気丸107 4週間→無効例→当帰四逆加呉茱萸生姜湯38(冷え、間欠性跛行にも) または疎経活血湯53(膝痛にも)
1ヶ月毎に変更してみて、効果のあったものを服用するというのも一つの方法です。漢方薬はすぐに効果が出る場合としばらく服用を続けて初めて効果が出る場合もありますので、焦らず服用を続けることも大切です。
<間欠性跛行>血管性、脊柱性 いずれにも効果あり
ツムラ当帰四逆加呉茱萸生姜湯→無効→疎経活血湯53(間欠性跛行+腰痛)または牛車腎気丸107(しびれ、足底違和感、坐骨神経痛) いずれも4週間は服用してみる
<慢性腰痛>
疎経活血湯53(運動時痛)4週間→無効→当帰四逆加呉茱萸生姜湯38(間欠性跛行、冷え)またはツムラ牛車腎気丸107(しびれ、肋低違和感、坐骨神経痛)
併用可
(火) 本日のコラム244 整形分野の漢方治療3
<変形性膝関節症>
防已黄耆湯20 4週間→無効→越婢加朮湯28を併用(麻黄のため高齢者には慎重。血圧上昇あり。むかつき1/2包朝・夕で開始)
<頚椎捻挫、頸椎症>
桂枝加朮附湯18 4週 →無効→桂枝茯苓丸25 を併用
<打撲、捻挫>
桂枝茯苓丸25 7.5g 2週間→ツムラ通導散7.5g(大黄3g下痢しやすい) 2週間 またはツムラ治打撲一方89 7.5g(大黄1g)2週間
30日(水) 本日のコラム245 患者さんのメモより

(ご本人より公開のご承諾を得ています。ありがとうございます。)
この方は、今年の2月に初めて来られました。今日(28日)の診察では鋭い痛みはなく、鈍痛が軽くある程度まで改善し、薬も服用せずに元気にやっているとニコニコされてました。このメモをもう一度見てもらいましたが、「こんなに深刻に思っていたのですね。」と笑ってられました。
(木) 本日のコラム246 骨粗鬆症の検査は、部位によって大きく異なることがあります
本日、骨塩定量の検査をDEXA法にて行ったところ、あまりの差異に驚きました。これまで手のMD法では骨塩量は正常と出ていた方なのですが、4月より導入のDEXAで検査しましたら、なんと著しい骨粗鬆症でした。部位によって差が出ることはよくあるのですが、これほど出るとは驚くばかりです。
骨量測定(骨塩量)の検査は、日本骨粗鬆症学会でDEXA法で腰椎、大腿骨を測定することが推奨されています。ところが現状は殆どの方が、それ以外の方法で測定されています。健康診断などのスクリーニングは、手軽な超音波で足の踵で骨の硬さを測定します。これは、どれだけ正確なのかよく分かりませんが、実際には骨塩量では無く、骨の硬さを計っているだけに過ぎません。
ついで医療機関ではレントゲンを使ったMD法が多く行われています。かくいう当院も2017年4月までは、この方法でした。
DEXA法には、手関節、腰椎、大腿骨を測定する機器に分かれています。これまた多くの医療機関は、手関節でしか測定できません。当院のものを含め、腰椎、大腿骨を測定できるDEXA法の機器は全身骨塩量測定器としてホールボディTypeと分類されています。
本日、測定した方は、MD法(左手)で骨塩量は、若年成人平均値(YAM値)97%と素晴らしい値でしたが、ホールボディDEXAで測定したところ、腰椎60%、大腿骨51%と大幅に低値を示していました。
これまで、「骨粗鬆症はなく良い骨です」と説明してきたのが、一転して「あなたの骨は、若い人の平均と比較して半分ぐらいしかないです。かなり骨粗鬆症が進行しています、治療が必要です。」と説明することになりました。
今後、骨粗鬆症の検査を受ける場合は腰椎・大腿骨DEXA法をお勧めします。