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池田医院・診療日記
信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして

整形外科 外科 リハビリテーション科

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2017年12月 寒くなってきました。風邪やインフルエンザに気をつけよう。 
 1日(金)
 2日(土)
 3日(日)
 
4日(月) 
本日のコラム 289 コニカミノルタ CR 補修



 整形外科の診療には欠かせないレントゲンのCR(デジタル化して読み込みする器械、コニカミノルタ製)の補修を行って貰っています。内部にある三つのファンを交換します。さすがプロの腕前、実にスムーズな作業です。頑丈で丈夫な器械です。
 
 5日(火)
 6日(水)
 7日(木)
 8日(金)
 9日(土)
 10日(日)
 
11日(月)  本日のコラム290 腰部脊柱管狭窄症 自宅でできること

 腰部脊柱管狭窄症は、腰痛や立位、歩行時に症状が悪化することが多く、悩ましい病気です。痛みやしびれに悩んでられる方は、一度、仰臥位で股関節を90度に曲げて膝関節も90度に曲げて、寝具やクッションをその裏に入れて支えるようにして20-30分寝転んでみてください。また夜寝るときは、下肢を少し挙上するようにします。

 これで下肢の症状が改善することもあります。まずはお試しください。
 
 
12日(火)  
 本日のコラム291 腰部脊柱管狭窄症 4 

<症状の出方>
 脊髄神経が圧迫されてる起こる神経性間欠跛行は、神経の障害部位により「神経根型、馬尾型、混合型」に分けられます。文字通り、神経根部を圧迫されて症状が出るものを神経根型、馬尾では馬尾型、その両方が圧迫されて症状を起こしている場合は混合型と言います。

 いずれも、安静時にはあまり症状が無く、立位や歩行により症状が悪化し、前屈で休むと改善します。姿勢による変化では、腰椎伸展位で立位や歩行で症状が悪化し、前屈みや座位で改善します。馬尾症状のひとつとして排尿、排便障害が出ることがあります。

<特徴的所見>

1.神経根型
 後屈、Kemp testで下肢痛やしびれが誘発。

2.馬尾型
 陰部を中心に暖かい温熱感が出たり、膀胱や直腸障害が出る。

3.混合型
 
 
13日(水) 本日のコラム292 腰部脊柱管狭窄症 5 治療

 腰部脊柱管狭窄症の治療は、保存療法と手術に分けられます。

 1.神経根型では、保存療法は効果的で、病状も自然寛解する傾向があります。

 2.馬尾型は、自然寛解しにくく、手術に至ることが多く見受けられます。

保存療法で改善しやすいケースは、以下の症状が無いもの
 ・馬尾症状が無い
 ・変性すべり症、変性側弯が無い
 ・有症状期間が1年以内


<保存治療の種類>

 薬物療法 ブロック療法 運動療法

 1.薬物療法

 プロスタグランジンE1製剤:間欠性跛行の改善、馬尾症状の改善

 NSAIDs:腰痛、坐骨神経痛

 NSAIDs +プロスタグランジンE1:神経根性疼痛

 副作用の少ない薬剤:アセトアミノフェン、ノイロトロピン

 プレガバリン:神経障害性疼痛
 
 トラマドールなどのオピオイド製剤:鎮痛効果
 
 睡眠導入剤、抗不安剤、抗うつ剤の併用:不眠、ストレス

 2.神経ブロック

  硬膜外ブロック、神経根ブロック、交感神経節ブロック

 3.運動療法

 運動療法や理学療法が単独で腰部脊柱管狭窄症に有効であると示すエビデンスは認めない。
ただ、これらの組み合わせにより、腰殿部痛や下肢痛を緩和させることもよくあります。

 理学療法により1年後の手術を減少させる可能性が示唆されています。

 経験則では、腰椎牽引で腰痛や下肢痛の緩和を認めますし、腰仙骨部のコルセットも症状の改善を期待できます。

 *腰部脊柱管狭窄症は、さまざまな治療を旨く組み合わせて症状緩和させることで、手術を回避できる可能性を探っていくのが、保存療法としてすぐれていると考えます。
 
 14日(木)
 
15日(金) 本日のコラム293 今年最後にDR(デジタルラジオグラフィー)を導入します

 7年前にレントゲンを、銀塩フィルムからCR(コンピューテッドラジオグラフィー)に変更しましたが、このたびDR(デジタルラジオグラフィー)を導入します。コニカミノルタ社 では一番、高性能のもの=画質が良い、低被曝線量である AeroDR fine です。

 カセッテの交換が不要で、4秒ごとに撮影可能となります。

CRとの比較
 ・カセット交換が不要
 ・4秒おきに撮影
 ・被曝線量は60%以上減
 ・画像は極めてくっきり
 ・価格はかなり高い

 *ちなみに今回購入する機種は、府立医大病院に納入されているものと同じだそうです。被曝線量を大幅に減らせますし、画像もこれまでより大幅に高画質です。また撮影の手間も掛からなくなります。
 
 16日(土)
 17日(日)
 
18日(月) 
本日のコラム294 コニカミノルタ DR AeroDR fine

 画像サンプルを見ましたが圧倒的に高画質です。CRだけでなく既存のDRと比較しても歴然とした差があります。最高級なだけにAeroDR fine が開業医向けのサーバにはつながらず、病院仕様の高級サーバでないと使えません。そこで価格はぽんと二倍ぐらいになったのですが、診療のクオリティアップには大いに貢献すると考えています。

 早く来ないか、待ち遠しい限りです。

 
 
19日(火) 本日のコラム295 腰部脊柱管狭窄症 6 手術

  腰部脊柱管狭窄症に対する保存療法は、約7割の患者に有効であるとされています。
従って原則保存療法が優先されます。ただし、重症の膀胱直腸障害、また進行性の麻痺がある場合は早急に手術を考慮します。

 保存療法3−6ヶ月行った上で、症状が継続する場合は手術療法が有効とされていますが、実際には、症状と本人の日常生活の満足度を勘案して手術を行うか決めます。日常生活の満足度とは、個人差があり、ゴルフを症状無く行いたい人もあれば、10mで間欠跛行の症状が出ても問題ないと考える人もいますので、一律に決めることは出来ません。

 絶対に手術をした方が良いのは、重症の馬尾障害(重度の膀胱直腸障害、排尿や排便の感覚が無くなります。)とされており、相対的(希望があればと言う意味)手術適応として進行性の麻痺があります。いずれにしても、手術をするかどうか決めるのは、患者さん自身であって、医師が無理に勧めるものではありません。その選択に過不足無く十分な情報を伝え、判断して貰うことが大切だと考えます。
 
 
20日(水) 
本日のコラム296 椎間関節性腰痛


 椎間関節とは、各椎体を後方で上下に固定する関節のことです。具体的には上位腰椎の下関節突起と下位椎体の上関節突起がなす関節のことです。力学的には、椎体が全荷重の84%を、後方にある椎間関節が16%を担っているとされています。

 また、椎間板の動きを後方から制動しています。

 椎間関節への神経支配は、脊髄神経後枝の内側枝です。椎間孔を出た後肢は上関節突起の外側を通り斜め下方に走行し横突起の背側に出たところで内側枝と外側枝に分かれます。外側枝は腸腰肋筋へ、内側枝は3つに枝を出し順に、関節包下部、多裂筋、一つ下位の関節包上部へと分布します。

 従って、椎間関節は、上部と下部からそれぞれ神経支配を受けます。例えば、L4-L5椎体の椎間関節は、第3腰神経、第4腰神経の支配を受けます。


 比較的感度・特異度の高い検査は、Kemp sign、障害高位椎間関節部の圧痛などがあります。一方、レントゲンではあまりはっきりとした所見はありません。従って除外診断を十分に行った上、診断するように心がけます。

 治療は、慢性腰痛症に対する治療とほぼ同じです。薬物療法としては、 NSAIDs やアセトアミノフェンを用います。第2選択薬として抗不安剤、抗うつ剤、 筋弛緩剤、オピオイドなどが推奨されています。その他、腰椎椎間関節ブロック、後肢内側枝電気焼却術などがあります。

 
 21日(木)
 22日(金)
 23日(土)天皇誕生日
 24日(日)
 
25日(月) 本日のコラム297 Borg指数

 Borg指数は、運動強度を指数化したものです。運動強度は心拍数に比例すると考えて、安静時の心拍数を60、最高強度の運動時の心拍数を200として、運動強度をレベル6−20まで分けています。例:心拍数が120の運動ならレベル12となります。

 健康な人ならおよそリニアに比例すると思われます。

 心拍数は、ひとそれぞれに異なりますし、また運動強度への反応の仕方も個人差がありますが、心拍数=酸素要求度と考えることもでき、運動負荷が心拍数に反映されるという考え方です。

 同じ負荷でも若く健康な人には心拍数も上がらいものでも、年齢や疾患により大きく心拍数が上がってしまうことがあります。その日の体調により負荷時の心拍数は異なります。

 心臓の拍出量×心拍数はその人の出来る仕事量に比例しますので、運動負荷にどれぐらい耐えられるかどうかは、心拍数をモニターして行うようにするのが正確と言えます。

 しかしながらそういった環境を用意できるのは一部の特殊な環境でしょうし、一般には、息が上がらない程度で少し汗ばむぐらいまでとします。すなわち「楽にできる」範囲内とするのが良いでしょう。

 最近、サルコペニアなど筋力が低下した人が増えてきています。このよう場合は、歩くだけでは筋量や筋力の回復は難しいので、低強度の筋トレを加えるようにします。

 筋トレのコツは、アスリートなどの高負荷の場合は週三回と合間に低〜中負荷の運動を行います。(一日は休息日とします。)低強度(翌日に筋痛や疲れが残らない)の場合は、週三回以上、できれば毎日行う方が良いでしょう。

 当院では、それぞれの疾患に応じた運動療法を行っています。高齢者がデイサービスなどで十把一絡げに同じ運動をやらされるのとは、全く別物、異次元のレベルと自負しております。
 
 26日(火)
 
27日(水) 
本日のコラム298 愛宕山のお札

 両変形性膝関節症で水が貯まった患者さんですが、治療の結果、無事に愛宕山のお参りに行けました。お礼とのことで「お札」を頂きました。変形性膝関節症は進行すると手術が必要になりますが、保存治療で症状が改善することも十分見込めます。諦めずにきちんと治療を行うことが大切です。



 
 
28日(木) 本日のコラム299 一年間ありがとうございました。

 冬期休暇 12月27日(金)〜1月4日(木) 今年も家でのんびりしてます。緊急時は診察ノートに記載してある院長携帯までご連絡ください。

 皆様に愛された一年間だったと思います。池田医院を選んで頂いてありがとうございます。引き続き全力で診療に当たりますのでよろしくお願いいたします。

 この一年を振り返りますと、新しく来られる方が大幅に増えました。私自身の業務量は30〜50%増しになったように思います。また複数の医療機関を経て来院されるケースもかなり多くなっています。他院では分からなかった癌や疾患など、診断や治療が難しい症例もあり、やりがいを感じた一年でもありました。

 今年は、4月に日本骨粗鬆症学会が治療ガイドラインで推奨する腰椎・大腿骨骨塩定量器(DXA)を左京区で京大病院に次いで導入しました。左京区には250ほど医療機関がありますが、手の骨ではなく腰椎・大腿骨ではかるDXA方式が行えるのは数カ所のみです。

 10月には電子カルテを新たに導入しました。ソフトの不具合が続き随分と苦労させられましたが、ようやく使えるようになってきました。

 来年、早々にレントゲンのDRが入ります。コニカミノルタ社で一番、低線量かつ高画質なものを導入します。いささか予算オーバーでしたが、みなさまのお役に立てると信じています。乞うご期待。

  
 29日(金) 正月休み 12月29日より1月4日まで冬期休暇とさせて頂きます。
 30日(土) 正月休み
 31日(日)