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池田医院・診療日記
信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして

整形外科 外科 リハビリテーション科

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2018年11月 秋晴れ
1日(木) 
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6日(火)  
7日(水) 
8日(木) 
9日(金) 本日のコラム425 12月に一般X線撮システムを入れ替えます

 数ヶ月前からレントゲン撮影システムの機種選定を行っていました。外国製のものはなんだかとてもハイテックな感じでした。リモートコントロールで動かせたりして小柄な女性でも扱えるようになってもちろん性能はよろしいのでしょうけど、誰にでも扱えるという点からは外国製の方が優れているように感じました。ただしお値段は相当高いようです。

 国産品は大手としてはキャノン(旧東芝)、日立製作所、島津製作所から選ぶしかないのですが、価格・性能自体に目に見えるような差はありませんでした。ただ、電源サイズや微妙な仕様の違いサイズなどで決めかねていたところ、日立製作所からリニューアルした製品が電源もコンパクトになり、現行機種をそのまま置き換えられることが分かり、決定打となりました。

 なお、日立製作所の担当者が懇切丁寧な対応を行ってくれたのも大きなアドバンテージとなりました。もちろん他の担当さんも頑張ってくれたことは言うまでもありません。

 12月クリスマスの連休を使って入れ替える予定です。多少慣れるまでまごつくかも知れませんが、ご容赦のほどお願いします。

 機種の特徴:照射設定パネルが新しいデザイン、電源も小型化(3社の中で最小)、立位の時に手持ちのステーあり。臥位撮影台は電動の昇降式となります。
 
10日(土) 
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18日(日)  
19日(月) 本日のコラム426 下位胸椎、上位腰椎の神経症候

 胸腰椎移行部(T11〜L1高位)には、脊髄円錐部(脊髄円錐、円錐上部)があります。T11/12高位よりL1/2高位の間にあります

 円錐上部:L4-S2
 脊髄円錐:S3-S5、Co

 この狭い2椎体ほどの間に多数の脊髄があるので、この部位で障害が起こると脊髄障害、神経根障害が混在し多彩な神経症候となる。

 高齢者は加齢による椎間板や椎体の短縮により、円錐部が下方に移動することがある。(下がってもL2椎体上1/3まで)

<症候>
 1.円錐上部症候群
  円錐上部(T12椎体高位:T11/12−T12/L1高位、脊髄レベルL4-S2)
  
 2.脊髄円錐症候群(L1椎体高位)
 S3-5髄節と尾髄(Co)よりなる脊髄円錐の病変による症候群。
 原因:椎間板ヘルニア,脊椎,脊髄腫瘍などの圧迫性病変。

 L1-L5神経根、S1-2前根は移動性が上がるので症状が出にくく、S3-5髄節症候が主症状となる。
 純粋な脊髄円錐の障害では早期から核上性の膀胱直腸障害と肛門性器周囲の対称性の感覚消失が生じる。
 下肢の腱反射の障害や運動障害はみられず、単独で発症することはきわめて稀。
 脊髄円錐上部症候群や馬尾症候群を合併するものが大部分で,下肢の腱反射の低下,消失と下肢の運動障害や感覚障害を伴うことが多い。

 3.馬尾症候群
 L2椎体高位以下では、L2以下の神経根が馬尾を形成している。馬尾症候群は、腰痛、下肢痛、筋萎縮、脱力、しびれを起こす。感覚障害は主に下腿、会陰に強く認める。間欠性跛行。

*間欠性跛行(馬尾性、脊髄性、血管性)
 馬尾性には、馬尾型、神経根型、混合型に分けられる。
 
20日(火) 本日のコラム427  サッカー馬鹿

 これまでいろんなスポーツを楽しんで来ましたが、一番長続きしているのがサッカーです。さすがに近頃は走力に支障が出てきて、2年前にフルコートでのサッカーは引退しました。今は週二回、サッカーのミニゲームとフットサルを仲間と一緒にやっています。サッカーは社会人チームに所属し、フットサルは医師会で立ち上げたものです。いずれもサッカー好きばかりが集まってます。

 どれぐらい強いかというと、今年はうちのメンバーさんが日赤病院の全国大会で全国優勝(第1日赤病院)と準優勝(第2日赤病院)しています。大会前には強化練習を行うのですが、うちの他のメンバーで組んだチームと日赤チームとはほぼ互角なので、アマチュアレベルとしてはそこそこ良い方だと思います。京都一部リーグで活躍している人や県代表、インカレの日本代表だった人がいます。

 とは言え、私はそれほど上手くありません。トラップミスやパスミスの度に「あっ」「しまった」「ごめん」とかエクスキューズしまくってます。得意なのは、ミドルレンジのパス(15−25m)です。これは精度が高く、ほぼドンピシャで蹴れます。(正確にはドンピシャに蹴れることもある程度で、よくダフって目の前の敵にボールを転がしてしまいます。)

 雨が降ろうが、日本代表戦があろうが、自分たちでボールを追いかける方が好きな連中なのです。先日も、ずぶ濡れになってやってました。ボールと仲間が集うとき最高に幸せな気分になれます。
 
21日(水) 本日のコラム428 下位胸椎、上位腰椎の神経症候 2

 他部位病変との鑑別診断
1.大脳病変と末梢神経病変
 大脳半球の内側には下肢の運動野があり、この付近の大脳鎌周辺の障害で、下肢筋萎縮や下垂足が生じる。(円錐上部症候群と似る)大脳病変では腱反射個往診やBabinski徴候など錐体路徴候が目立つ。単、多発ニューロパチーで反射弓が障害されなければ下垂足を呈しても腱反射が保たれる。(Babinski徴候は陰性)

2.神経変性疾患
  ALSなどの運動ニューロン障害
 ALSでは、下肢筋力低下がびまん性で腸腰筋(L1-3)まで及ぶ、眼球の運動障害+、感覚障害や褥瘡がない。
 他に、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、脊髄小脳変性症、スモン病などがある。

3.C6/7頚髄症
 C6/7上肢の症状を起こさないので、胸髄病院との鑑別が必要。頚部痛や前胸部痛、肩こりが初発症状として出現する場合がある。頚部の前屈後屈にて腰背部への放散痛。
上腕三頭筋腱反射、Hoffmann 反射反射等がが陽性となることがある。

4.円錐部脊髄腫瘍 神経鞘腫、上衣腫が多い
 上衣腫は粘液乳頭型が多く、馬尾との癒着、周辺への浸潤が強く、手術では神経麻痺に注意。

5.円錐部血管性病変
 脊髄動静脈奇形(AVM)、脊髄出血、脊髄梗塞。脊髄痛を伴う急性脊髄麻痺は円錐部血管性病変の脊髄出血や脊髄梗塞を疑う。

6.円錐部脊髄外傷
 
22日(木)  本日のコラム429 腰仙椎部(馬尾)の神経徴候

 馬尾:脊髄円錐より尾側にある神経根の集合をいう。L1−S1神経根は下肢の運動と感覚、S2-S4神経根は排尿、排便、性機能、陰部の感覚に関与している。S2神経根以下の障害の場合、膀胱直腸障害のみの症状となるので、脊髄円錐障害とと酷似する。

自覚症状
 1.腰痛
 2.下肢痛
  神経根・馬尾障害に関連した下肢痛は、神経節の圧迫が重要で、神経根や馬尾の機械的圧迫のみだとしびれ感と感覚鈍麻は生じるが、痛みは生じにくい。強い痛みを訴える場合は、後根神経節の圧迫の有無をチェック。

 3.運動障害
 下位運動ニューロン障害。弛緩性麻痺。筋力低下。下肢筋は複数の神経根支配なので一本の神経根障害では著明な運動障害は生じない。下肢筋の神経根分布が障害後再構築されていることがあるので注意。

 4.間欠跛行
 歩行の最中に何らかの下肢症状が出現し、歩行の継続が困難になること。血行性、脊髄性、馬尾性がある。腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行は、前屈位で症状が改善し、また前屈位の運動負荷では症状がでない。ショッピングカートを押しての歩行や自転車では症状が出にくくなる。

 5.排尿・排便障害
 神経の圧迫による膀胱直腸障害で生じる。膀胱などの弛緩性麻痺による。膀胱の知覚も低下し尿意が減少する。残尿の自覚が無いことも多い。腸ぜん動の低下、肛門括約筋の弛緩などが起こる。排便障害には便秘と便失禁がある。
 
 6.性機能障害・間欠性勃起

他覚症状
 1.皮膚症状の有無

 2.姿勢異常・歩容異常
  下垂足、鶏歩

 3.筋萎縮
  殿筋の萎縮の有無:末梢神経障害では殿筋は温存。腰部神経障害では下肢と同時に殿筋も萎縮することが多い。萎縮筋の腱反射は通常消失、保たれている場合は上位運動ニューロンの障害の合併。感覚障害を伴わない下肢の著明な筋萎縮は運動ニューロン疾患の初発症状のことがあるので注意する。

神経学的検査
 1.緊張徴候 SLRテスト、FNST、Flipテスト
 2.徒手筋力テスト
 3.感覚障害
 4.排尿障害(神経因性膀胱)一定量たまると交感神経の反射で一気にでる機能は残存している。
 5.反射
  腰仙骨部での神経障害は腱反射は減弱もしくは消失。片側性は根障害。両側性減弱は加齢など。
  →Jendrassick maneuver 両手で指を組んで左右に引く動作。上位神経抑制を一時的に弱めることで高齢による両側性の神経反射減弱では反射が誘発されやすくなるとされている。

 PTRの亢進とATRに消失末梢神経もしくは腰椎部病変に加えて上位運動ニューロンの合併を疑う
 上位運動ニューロン障害があっても反射が亢進しないケースあり→糖尿病性神経障害+頚髄障害

 症状・徴候  障害神経根 
 L4  L5  S1
 緊張徴候 FNST、SLR  SLR  SLR 
 筋力低下  膝伸展  母指背屈
足関節背屈
 母趾底屈
足関節底屈
 感覚障害  下腿内側  下腿外側〜足背  足部外側
 腱反射低下  膝蓋腱反射  得意なものなし  アキレス腱反射
 
23日(金) 
24日(土)
25日(日)
26日(月) 
27日(火)
28日(水) 
 本日のコラム430 『気持ち悪いほど綺麗なレントゲン写真』?

 とある患者さん曰く、『これまであちこちの病院を受診しましたが、ここほど綺麗なレントゲン写真を見たことがありません。気持ち悪いぐらいですね。』とのこと。確かに、他の医療機関から送られてくる画像は、白く濁っているというか、ぼやっとしているというか、解像度がかなり低いです。当院のものは世界最高画質とメーカーが言っているように、とても綺麗に見えます。テレビで言うとブラウン管から4Kに換えたぐらいの差を感じます。

 微細な骨折などは、この機種だから見えることもあるように思います。心眼ではなくリアルに見て診断できる、そういった差があります。

 加えて、被ばく線量がCRに比べて60%減、通常のDRから25%減となっています。放射線の影響を最小に抑えて検査できます。特に放射線に敏感な子供さんにとって有益だと考えています。

 世界最高画質×被ばく線量40% 弘法筆を選ばずとも言いますが、医療機器は良いものを使うのがベストと思っています。
 

29日(木)
30日(金)