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本日のコラム571 レントゲンで写らない骨折 診断力が求められます
ケガをしてレントゲン撮影を受けて「骨は大丈夫です。」と説明を受けることは多いと思います。ところが痛みや圧痛が強いケースでMRIを撮影すると以下の通り骨折が見つかることがあります。このような骨折を不全骨折(不顕性骨折、不完全骨折ともいう)と呼びます。内部で骨折しているためにレントゲン撮影では分からず、数週間後に再検査すると仮骨が見つかって「ああ折れてましたね。」となることがあります。
レントゲンで骨折が見つからなくても痛みなどの臨床症状により、MRIによる精査を行ったり、骨折に準じて治療をします。レントゲンやMIRIはあくまでも診療のための補助でしかありません。所見が無いから大丈夫と言うわけではないのです。そこに必要なのは「診断力」ですね。


18歳以降の腰椎分離症は、ほとんどが偽関節なった終末期とされており対症療法が行われます。成人でもまれにハイレベルなアスリートで新たな分離症が起こったとの報告があります。今回、運動部で活動する成人の新鮮例を経験しましたので報告します。(本人の許可を得ています)
運動すると腰痛が出るようになり、続いているとのことで来院、レントゲン、MIRIを行いました。レントゲンでは所見がありませんでしたが、引き続き行ったMRIでは初期の分離症を認めましたので、本人と相談の上、部活の休止、徳島大式硬性コルセットを装着し、経過を見ました。症状はすぐに改善してきましたが、分離した骨がつくのに約4ヶ月掛かりました。最終確認はCTで行いました。MRIだと骨折周辺の浮腫像はよく描出されるのですが、骨折線自体は分かりにくい。CTで骨癒合を確認、伸展制限付きのスポーツ用腰サポーターに変更して部活に復帰して頂きました。
腰椎分離症は小学生~中学生ぐらいに発症したものは、早期に対応すれば治るチャンスがあります。ただ高校生ともなると時機を失して偽関節になってしまっているケースもよくあり、ましてや大学生ならほぼ偽関節となっています。
文献では成人例はハイアスリートで起こるとされていますが、今回、通常の部活レベルの大学生でも起こることが分かりました。分離症の治療は、早期発見早期治療が原則ですので、運動系の部活やサークル活動をしていて腰痛が一週間以上続く場合、または繰り返す場合は、早めに整形外科を受診し対応するのが大切と考えます。
分離症の初期は、痛みが出ても運動を一週間程度休むと症状がなくなって、部活を再開し、また腰痛が出現を繰り返して、末期の分離症に移行してしまうことがよくあります。運動系部活での腰痛=分離症の発症の可能性。→最寄りの整形外科受診 まずは受診して鑑別診断をしっかり行ってください。
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| 初診時、レントゲン 矢印部に異常所見なし | 初診時、MRI 矢印部に信号変化 | 数ヶ月後にCT 骨癒合を認める |
肉離れもきちんと調べると以下のような画像となります。左側MRI、右側:超音波
MRIは重症度が高い場合や他の疾患との鑑別に使います。超音波は動的に診ることができ、また経時的な変化も追えますので有り難いです。
圧痛がなくなり超音波で元通りの画像になれば、もとの運動も再開できます。
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本日のコラム574 変形性膝関節症は早期発見、早期治療が大切
変形性膝関節症は基本的には加齢による変化ですが、同じ年齢でも差はかなりあります。膝が痛くなったり、水がたまったりすると医療機関に受診することになります。しかしながら変形はかなり以前より始まっています。水がたまるのは病勢でいうと初期、中期、晩期に分けると中期に当たります。すなわち水がたまった時点でそこそこ進行していることになります。
変形性膝関節症の初期症状は、立つときに少し痛くなる程度でそれ以外にはほとんどありません。もう少し悪くなると坂道や階段で痛みが出ます。さらに悪化すると平地でも痛くなります。平地で痛くなるのはかなり進行したと思ってください。
残念ながら生じてしまった変形は元に戻りませんから、最近では変形の進んでいない時期に介入する方が良いとされます。膝に痛みが出ると神経性筋萎縮といって、膝周辺の筋肉がどんどん萎縮します。数ヶ月も放置すると歩くのが困難になることもあります。水がたまる頃には膝周りの筋肉はかなり萎縮しており、また水腫や筋萎縮により膝の曲げ伸ばしが制限され、関節が拘縮してきます。
変形が進むと注射(ヒアルロン酸)も効果が出にくくなります。従って目に見える変形が出てくる前に十分な対応を行っておくのがよいとされています。まず予防的に膝の筋トレとストレッチを行います。立ち座りで痛みが出だしたら医療機関での対応が必要です。それまでは予防的に筋トレとストレッチを行っておきましょう。





