本日のコラム576 脛骨跳躍型疲労骨折
脛骨跳躍型疲労骨折
脛骨の跳躍型疲労骨折は、難治性の吸収型疲労骨折であり、仮骨形成に乏しく、治療には長期間を要します。
骨形成型の疾走型疲労骨折とは異なり、6週間程度の運動制限では治癒しません。短期間の局所安静で痛みは改善し、レントゲン所見にも大きな変化が出てこず、安易に運動を再開すると更に悪化します。
慢性化した例や早期復帰をめざす場合は、髄内釘挿入を行います。一般の脛骨骨折と異なり骨折部の固定性、髄内血流よりも、伸張ストレスを回避するために髄内釘を骨皮質に密着させます。横止スクリューは不要です。
症状はランニングのストップ時やジャンプの着地時の痛みが中心で運動強度が上がれば痛みも増強します。症状が悪化すると階段昇降や起床時、動き始めの痛みが強くなります。
初期は2週間程度の安静で症状が改善するため、受診すること無くそのまま運動を自己判断で再開してしまうケースが多いとされています。
慢性化してしまうと保存療法には抵抗性で4ヶ月の運動休止を行っても治癒率は50%以下とされています。また経過中に完全骨折となることがあります。
慢性例では脛骨骨幹部前方の痛み、腫れ、圧痛があり、レントゲンで嘴状の仮骨形成とBlack-lineと呼ばれる骨吸収像もしくは明瞭な骨折線を認めるようになります。初期にはレントゲンの変化がみられないので注意が必要です。
スポーツの種類としては、バレーボール、バスケットボール、クラッシック・バレエに多くみられ、その他、陸上、体操、ハンドボール、野球、テニス、チアリーディング、バトミントン、アメフト、卓球でみられた。(関東労災病院における報告)
<治療方針>
保存的治療は完治が困難なことが多い。
初期例:発症1ヶ月程度の初期であれば、保存療法が有効。ランニングなどの下肢に負荷のかかる運動は6週間休止します。ハムストリングや殿筋の筋力強化は行います。徐々にランニングを開始しますが、ジャンプ動作や急激な力がかかる動作は控えます。3ヶ月程度、運動強度の制限を行います。
慢性化例:二か月程度の運動制限を行い、殿筋とハムストリングの強化で治癒例もあるとされています。骨折部が深部に進行することあり。
手術:運動中止が困難で確実にスポーツ復帰を期待する場合や完全骨折の危険性が高いもの、長期罹患例は手術の対象となります。髄内釘はリーミング径より0.5mm細い髄内釘を挿入し、骨皮質との密着をはかります。横止スクリューは使用しない。
後療法:手術翌日より荷重歩行可能。一週間程度で松葉杖は不要となります。術後一週間から自転車エルゴメーターを開始。3-6週間して挿入部の刺激が緩和すれば、レッグエクステンションやハーフスクワットなどの筋トレを行います。6週間以降、創通が軽度となれば、ランニングの許可。術後10週後に筋力測定実施し、健常比比80%以上の筋力であれば、徐々にスポーツ復帰を行います。3ヶ月より競技復帰に向けてトレーニングを高め、4-6ヶ月で復帰をめざします。
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本日のコラム577 腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行はいつ手術するのが良いのか?
一般的には排尿排便障害のでる馬尾型は手術療法を考慮し、神経根症状を中心とした神経根型は保存治療を行います。また、どこまでの生活を望まれるかによって異なります。家での生活がそこそこ出来れば良いのか、ゴルフなどの運動を含めて行えるように希望するのか、総合的に判断します。また病悩期間が長いと神経の変性が進んでしまい、手術しても十分な改善を得られないといったことも起こります。
保存療法と手術療法との間には、担当医や執刀医の考えに少し幅があり、手術を勧められたり保存療法を勧められたり迷われるケースもあると思います。このような場合、セカンドオピニンとして他の先生に相談するのもよいかと思います。いずれにせよ、お互いの信頼関係が大切で、合わないもの同士という組み合わせは不幸の始まりになることもあります。