コロナも第7波となっています。オミクロン株が変異して更に感染しやすくなっており、保育園、幼稚園、学校、高齢者施設にて大規模クラスターが発生しています。基本は換気とマスクです。マスクは不織布のものを用いましょう。予防接種は重症化を防ぐとされており、高齢者、基礎疾患のある方は行う方が良いとされています。
お盆休み
お盆休み
本日のコラム608 頚椎歯突起骨折 odontoid fracture
→高齢者の転倒後の頚部痛は歯突起骨折を疑ってCTを!
歯突起とは、第2頚椎(軸椎)にある突起のことで、第1頚椎(環椎)の環状構造の中で突起部分が回旋を支えるような役目を担っている。通常は、交通外傷などの高エネルギー損傷で起こることが多い。ただし高齢者は通常の転倒でも起こりうるので注意が必要です。
Andersonの分類(TypeI、TypeII、TypeIII)が用いられ、北米のガイドラインでは、転位のないTypeI,II、IIIは外固定による保存療法が選択され、5mm以上転位を伴う、もしくは整復位が保てないケースは手術が推奨されています。
・TypeI 歯突起先端部分の裂離骨折(歯突起先端の付着する翼状靱帯による裂離骨折)
・TypeII 歯突起基部(軸椎椎体と歯突起の結合部)骨折。高齢者に多い。回旋応力に起因。保存治療では10-70%で偽関節形成。
・TypeIII 歯突起基部よりさらに環軸関節面に掛かるもの。TypeIIより海綿骨部が多く外固定で比較的良好な骨癒合が得られると報告されている
TypeIIのGrauser分類(SubclassA,B,C)
SubclassA:1mm未満の転位で粉砕のない横骨折→外固定による保存療法
SubclassB:1mm以上の転位を有する横骨折、歯突起前上方から後下方への斜骨折、十分な骨質があれば歯突起前方スクリュー固定法(中西法)。高齢者は骨粗しょう症にともない固定力が得られず、後方環軸椎固定術が選択される。
SubclassC:逆に歯突起前下方から後上方にかけての斜骨折 多くの場合、粉砕骨折を伴うために前方スクリュー法では固定を得にくく、後方固定が推奨されている。
*Type I および転位が5mm未満のType III は6-8週間の外固定。
*外固定はハローベストかフィラデルフィア型の頚椎カラー 追加手術を要した割合は、どちらも有意差なく、ハローベストは誤嚥性肺炎などの合併症が多かったとされる。
*80歳以上の保存療法、手術療法ともに合併症率や死亡率が高い。80歳以上の手術適応は慎重に検討。
*偽関節 脊髄障害、疼痛残存、機能障害、また遅発性脊髄障害が起こることあり
本日のコラム609 軸椎歯突起後方偽腫瘍 Retro-odontoid pseudotumors
比較的稀な疾患で、歯突起後方にメカニカルストレスや炎症性疾患により偽腫瘍を形成します。炎症性疾患として関節リウマチ、透析、CPPD(カルシウムピロリン酸結晶沈着症calcium
pyrophosphate deposition disease)などがあります。保存治療と手術療法があります。
保存治療:軸椎歯突起後方偽腫瘍がみられても無症状の場合は経過観察。症候性であっても頚部痛などの軽微な症状のみの場合、頚椎カラーなどの治療を行う。
手術療法:前方法、後方法(後方固定術、C1後弓切除術、後方経硬膜摘出術) 圧迫性脊髄症がみられる場合に考慮する
前方法 理にかなった手法ではあるが、高難度、経口的であるため感染や髄液漏などの重篤な合併症が問題
後方法
1.後方固定術(後頭頚椎固定術、環軸椎固定術) この偽腫瘍は環軸椎亜脱臼などの不安定性により生じることが多く、偽腫瘍を摘出せずとも後方固定術のみでで退縮が期待出来るので、第1選択とされることが多い
2.C1後弓切除術 全身状態が良くない場合や、高齢者が対象。全身状態が許せば後方固定術が望ましい
3.後方経硬膜摘出術 後方から経硬膜的にアプローチする方法。