朝夕の寒さも緩んできて、日中は気温も上がってきました。鴨川のさくらの花もいつになく綺麗に咲いています。気持ちが良い季節ですが、花粉症もまた広がってきており厄介です。
新入生の自転車事故
入学おめでとうございます。この時期、他府県から来られた大学の新入生が自転車で転倒してケガをされるケースが増えます。
京都は自転車の街ですが、特に京大近辺は自転車が行き交い、慣れないうちはかなり危険です。手足や肋骨の骨折で来院される方もおられます。
道が狭く、歩道と車道の段差が高いのも京都の特徴です。慎重な運転を心がけてください。
膝の水を抜くとクセになる?
「膝の水を抜くとクセになる」という話をよく聞かれます。外来でも「抜かないでほしい」とおっしゃる方が少なくありません。
結論から言うと、水を抜くこと自体がクセになるわけではありません。水が溜まるのは膝の中に炎症があるからで、原因が治まらなければ抜いても再び溜まります。抜いたから溜まるのではなく、溜まる原因が続いているということです。
むしろ水が溜まったまま放置するほうが、膝の動きが悪くなったり痛みが長引いたりすることがあります。
骨粗鬆症ガイドライン10年ぶり改訂
骨粗鬆症の治療ガイドラインが昨年、10年ぶりに改訂されました。
大きな変更点のひとつは、骨折リスクの高い方には骨を作る力を高める薬を最初に使うという方針が明確になったことです。これまでは骨が減るのを抑える薬から始めることが多かったのですが、考え方が変わってきています。
骨粗鬆症は痛みがないまま進行しますので、気づいたときには骨折していたということも珍しくありません。特に閉経後の女性は一度骨密度の検査を受けておいて損はないと思います。
五十肩は放っておけば治る?
「五十肩は放っておけば治る」とよく言われます。実際、多くの方が自然に回復しますが、なかにはそのまま肩の動きが戻らなくなる方もおられます。
痛みが出始めてから数か月のうちに関節の周りが固まってしまうと、そこからの回復には長い時間がかかります。「そのうち治るだろう」と様子を見ているうちに拘縮が進んでしまうケースを外来でもよく見かけます。
痛み始めの早い段階で手を打つのが、結果的には一番の近道です。
80GO(ハチマルゴー)運動
最近テレビなどで「フレイル」「ロコモ」という言葉を耳にされる方も増えてきたのではないでしょうか。
日本医学会連合が「80GO(ハチマルゴー)」という目標を掲げています。80歳になっても自分の足で元気に外出できる体を目指そうという運動です。
ロコモかどうかは簡単なテストで確認できます。片脚で40cmの椅子から立ち上がれるかどうかが目安のひとつです。ご家庭でも試せますので、気になる方はぜひやってみてください。
ガーデニングと腰痛
春になると庭仕事を始められる方が増えます。草むしりや植え替えなど、しゃがんだ姿勢を長時間続けることで腰を痛めて来院される方がこの時期は少なくありません。
しゃがんだ姿勢は腰の椎間板にかなりの負担がかかります。夢中になるとつい時間を忘れてしまいますが、ときどき立ち上がって腰を伸ばすだけでも違います。
楽しい庭仕事のあとに辛い腰痛、では本末転倒です。
捻挫を甘く見ない
足首の捻挫は「たかが捻挫」と軽く見られがちですが、実はきちんと治療しないと後々困ることがあります。
靭帯が伸びたまま不十分な状態で治ってしまうと、足首がぐらぐらする「不安定症」になることがあります。何度も捻挫を繰り返す方は、最初の捻挫の治り方に問題があったケースが多いです。
腫れや痛みが引いても、しっかり治っているかどうかは別の話です。
運動器エコー診療
最近の整形外科ではエコー(超音波検査)を使う場面が増えています。
レントゲンは骨の異常を見るのに優れていますが、筋肉や腱、靭帯の状態はわかりにくいことがあります。エコーを使うと、こうした軟部組織の炎症や損傷をその場でリアルタイムに観察できます。
患者さんと一緒にモニターを見ながら「ここが痛んでいますね」とお見せできるのもエコーの良いところです。「何が起きているか」がわかると、治療への理解も深まります。
ばね指
指の付け根が痛くなって、曲げ伸ばしのときに引っかかる感じがする。これは「ばね指」と呼ばれる症状です。
指を曲げる腱が通るトンネル(腱鞘)が狭くなって、腱がスムーズに動かなくなることで起こります。朝起きたときに指がこわばって曲がったまま伸びない、という方もおられます。
使いすぎが原因のことが多いですが、更年期や妊娠・出産後のホルモン変化で起こることもあります。
成長痛
お子さんが夜になると「膝が痛い」と言って泣く。親御さんとしては心配になりますよね。
いわゆる成長痛は3歳から12歳くらいのお子さんに多く、夕方から夜にかけて膝や脛のあたりが痛むのが特徴です。翌朝にはけろっとしていることがほとんどです。
ただし、昼間も痛がる、腫れている、歩き方がおかしいという場合は成長痛ではない可能性があります。そこは見極めが必要です。
外反母趾
「足の親指の付け根が出っ張って靴に当たって痛い」という相談は、女性の患者さんに多く見られます。外反母趾です。
先の細い靴やヒールの高い靴を長年履いていた方に多い印象ですが、足の形そのものが原因になっていることもあります。遺伝的な要素も関係しています。
軽度のうちは靴の見直しやインソールの調整で対応できることが多いですが、変形が進むと歩行にも影響してきます。
花見・行楽シーズンの転倒骨折
桜の季節も終わりに近づいていますが、行楽シーズンはまだまだ続きます。
この時期、公園や観光地の不整地で足を取られて転倒し、手首や股関節を骨折されるご高齢の方が来院されることがあります。普段は平坦な道しか歩かない方が、芝生の斜面や砂利道を歩いて転んでしまうというケースです。
お出かけの際は履き慣れた靴で、足元に気をつけて楽しんでいただければと思います。
テニス肘
テニス肘という名前ですが、テニスをしない方にもよく見られます。正式には「上腕骨外側上顆炎」といいます。
肘の外側が痛んで、ものを握ったり手首を返したりするときに痛みが出るのが特徴です。パソコンのマウス操作や、フライパンを持ち上げる動作で痛む方が多いです。
使いすぎが原因のことがほとんどですので、まずは痛む動作をできるだけ避けることが基本になります。湿布や装具も有効です。
靴選びの大切さ
外来で足や膝の痛みを診ていると、靴が合っていないことが原因になっているケースに出会うことがあります。
特に高齢の方で、大きすぎるスリッパや底のすり減った靴を履いておられる場合、それだけで転倒のリスクが高くなります。また、足に合わない靴は外反母趾や足底の痛みの原因にもなります。
たかが靴と思われるかもしれませんが、足元の安定は体全体のバランスに直結しています。