池田医院
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整形外科 外科 リハビリテーション

診療日記 2026年9月長月

1日(火)
新コーナー
「整形外科Q&A」の第4弾として、骨密度を測るDXA検査についてお話しします。全3回です。骨粗鬆症2025のシリーズはこちらから整形外科Q&A「骨粗鬆症2025」
整形外科Q&A|骨密度検査DXA 第1回/全3回

DXAとは何か

「骨密度の検査って、どんな仕組みなんですか」と聞かれることがあります。今日は当院でも使っているDXA(デキサ)という測定法の話です。

DXAは「二重エネルギーX線吸収測定法」の略です。強さの異なる2種類のX線を体に当て、骨とそれ以外の組織での吸収の差から、骨に含まれるミネラルの量を計算します。X線を使いますが線量はごくわずかで、体への負担が小さい検査です。

骨密度を測る方法はDXAのほかにもあります。かかとに超音波を当てる方法は検診でよく使われますし、指の骨をX線写真で評価する方法、CTを使う方法もあります。それぞれに持ち味がありますが、超音波による測定は骨粗しょう症の診断基準には使えない位置づけで、検診で骨折リスクの目安をつけるための方法とされています。

診断と治療効果の判定に使う標準の方法がDXAで、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」も、腰椎と大腿骨近位部の2部位をDXAで測定することを推奨しています。検診で「骨が弱いかもしれません」と言われた方は、DXAでの精密測定をお勧めします。

次回は、なぜ腰椎と脚のつけ根の2か所を測るのか、結果をどう読むのかをお話しします。

2日(水) 整形外科Q&A|骨密度検査DXA 第2回/全3回

どこを測り、どう判定するか

骨密度検査の結果用紙には、腰椎と大腿骨近位部、二つの数字が並んでいます。なぜ2か所も測るのでしょうか。

一つには、部位によって骨の減り方が違うためです。骨には皮質骨という硬い外側と、海綿骨というスポンジ状の内側があり、その割合が部位ごとに異なります。閉経後の骨量減少は海綿骨の多い背骨に早く現れやすく、一方で脚のつけ根の骨密度は、あらゆる部位の骨折リスクをよく反映します。大腿骨近位部の骨密度が1SD下がると、全身の骨折リスクは1.6倍になるとされています。

判定には、二つの部位のうち低い方の値を使います。良い方ではなく低い方で判断する、というのが決まりです。

結果はYAM(ヤム)という値で示されます。若い成人の平均を100%としたとき、あなたの骨密度が何%にあたるか、という数字です。閉経後の女性と50歳以上の男性はこのYAMで評価します。若い方は同年齢との比較で評価する、という別の物差しを使います。

なお、ご高齢の方では背骨の変形や圧迫骨折のために腰椎がうまく測れないことがあります。その場合は大腿骨近位部の値で判断します。当院でも腰椎と大腿骨の両方を測定しており、経過を追うときは毎回同じ条件で測って比べています。

次回は、どのくらいの間隔で測り直すのがよいかという話です。

3日(木) 整形外科Q&A|骨密度検査DXA 第3回/全3回

次に測るのはいつか

「骨密度の検査、次はいつ測りますか」とよく聞かれます。今日はその間隔の話です。

骨密度はゆっくりとしか変わりません。また、測定には機械の誤差がどうしてもあり、小さな変化はこの誤差に紛れてしまいます。短い間隔で測り直しても、出てくる数字の上下が「本当の変化」なのか「誤差」なのか区別がつかないのです。

このため「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」は、治療が軌道に乗った後の測定は1年以上の間隔でよい、としました。この考え方を受けて、この6月から保険の決まりも変わっています。治療を始めて1年以内の方や、新しい骨折があった方、骨に影響の大きいお薬を使っている方は今まで通り短い間隔で測れますが、治療が安定している方は年1回となりました。

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天候や気圧で体調に変化が出るか

「雨が降ると膝が痛むんです」「天気が崩れる前から腰の調子が悪くて」。今、治療を続けておられる方から、こうしたお話をよく伺います。

こうした天候による不調は「気象病」と呼ばれます。正式な病名ではなく、昔から多くの人が感じてきた体調不良に付けられた総称です。頭痛やめまい、だるさとともに、変形性関節症や腰痛、肩こりといった、続いている痛みの症状もその一つとされています。

気圧だけの問題ではない、というのも分かってきたことです。古い研究になりますが、関節痛のある方を気圧と湿度を調整できる部屋に15日間滞在させた実験では、気圧の変化だけ、湿度の上昇だけでは痛みに変化がなかったものの、両方が同時に起こると痛みが強まったと報告されています。「気圧が下がると痛む」と単純に言い切れない理由がここにあります。

しくみについては、複数の説が唱えられています。一つは、耳の奥にある内耳が気圧の変化を感じ取り、その信号で自律神経が乱れるためとする説です。愛知医科大学のグループはマウスの実験で、内耳の前庭器官が気圧の変化に反応するしくみを確認し、天気による痛みを訴える方は内耳の感受性が高いことも、人を対象にした実験で示しています。もう一つ、気圧が下がると体を押さえつける力が弱まり、血管が広がりやすくなるためとする説もあります。どちらか一方に決まっているわけではありません。

まだ研究の途上にある分野で、「気のせい」では片づけられない、体のしくみに基づいた説明が試みられている、ということは知っておいていただいてよいかと思います。

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「秋バテ」と運動器

「涼しくなってきたのに、体がだるい」ということがよくあります。今年のような厳しい暑さが長く続いた夏は、その傾向が特に強く出るようです。

暑い間、体は体温を保とうと自律神経をフル稼働させ続けます。この状態が長く続くほど、自律神経は疲弊します。今年のように猛暑の期間が長かった年は、涼しくなってからの回復にもそれだけ時間がかかりやすいと考えられます。

回復のために大切なことをまとめます。

  • じっとして休むより、軽く体を動かすこと(自律神経の回復が早まるとされています)
  • 6時間以上の睡眠をとること(厚生労働省の睡眠ガイドでも成人の目安とされています)
  • 肉・魚・卵などのタンパク質をしっかり摂ること

もう一点、整形外科の立場から付け加えたいことがあります。暑さを避けて外出を控える期間が長いと、気づかないうちに筋力が落ちていることがあります。だるさで動くのが億劫になり、動かないからさらに筋力が落ちる、という悪循環に入りやすいのがこの時期です。無理のない範囲で、少しずつ歩く時間を取り戻していただくことが、秋バテからの回復と、この先の体力維持の両方につながります。

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